90歳の負けん気で挑む女
ビックリしたことがありました。
最近イラストへの情熱が半端ない90歳の母に、刺激になればとnoteのトップ画面に使われていた素晴らしい髭男子のイラストを見せました。
「お母さん、このイラスト凄いね、白と黒の世界の中の動きが素晴らしい」と言うと
母は画面をまじまじ眺めて「ほんと、いいねー」と言いました。
「お母さんのイラスト、私は好きじゃけん、こんな感じも描いてみたら」と
アート的な作品も描いてみたらいいんじゃないかと伝えました。
私は、母にイラストという新しい趣味が見つかってよかったなと思っています。、そして、その可能性を信じています。
昼食の準備をしていると、母が「ねえ、描けたよ」と言って熱いまなざしで数枚のイラストを持ってきました。
「見つめる女(ひと)」
今まで以上に筆に力がこもり、イラストの中から母のエネルギーがほとばしっているのを感じました。
私は娘バカだと思いますが、母のイラストには不思議な魅力があると思います。決して上手くはないのですが、どこか味があるのです。
母は、弟が絵が上手くプロの先生に習っていたこと、お正月に父親が凧に絵を描いていて、特に虎の絵を描くのがとても上手かった事を話してくれました。
もしかしたら母の遺伝子に絵心という項目が組み込まれているのかもしれません。
母は90歳になるまで、習ったわけでも、趣味で描いていたわけでもありません。ただ日記を書く時に文章にイラストを添えていただけです。
人の才能は何時、どこで開花するかわからないなと思います。私がこんなことを書いていると母は
「私はいつ死ぬかわからんのじゃけんね」と言いますが、遅咲きとはこのことだと思います。
母は90歳でイラストを描く楽しみに出会い、他の人の芸術的な作品から刺激を受けて、自らも新しい何かが生み出せないかと挑戦をしています。
その姿に私は娘ながら「おそろしい、この人の進化は止まらない」と思っています。
こんな90歳のおばあちゃんがいることを、皆さんに知っていただきたいと今日もまた、母のことを記事に書いています。
最近の母の作品をいくつかご紹介させてください。
「アンニュイな女のクリスマス」
この物憂げな表情の女(ひと)は今年、誰とどんなクリスマスを過ごすんでしょうか・・・、パリの女性をイメージしたイラストです。
「初恋の待ちぼうけ」
女の子はもう1時間もこのベンチで待っています。待ち人は来るんでしょうか・・・
「大人びた少年」
彼は少し背伸びをして、明日、年上の女性に告白しよかどうしようかと悩んでいます・・・。
母はイラストに自分なりの物語を当てはめて描いているようです。
90歳ですから、エネルギーを放出できる時間はそんなに長くはないでしょう。1枚にかけられる時間も数十分ですが、その気迫は並々ならぬものがあります。
幾つになっても挑戦、幾つになっても負けず嫌い、母のイラスト魂は燃え続けています。
今日は母の渾身のイラストをご紹介させていただいて本当に良かったです。
私も、そんな母に刺激を受けて、日々前進、表現力を磨きながらnoteに記事を書いていこうと思っています。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《ばあばは爪を研いでいる》
我が家のリビングでばあばに聞いてみました。
「お母さん、今回のイラストは渾身の作品じゃあね・・・」
「そうじゃねー、力を込めて描いてみたんよ、手がしんどいけん何枚もは描けんかった」
「やっぱり、見ごたえがあるイラストを描いている人への挑戦なんじゃろ」
「そんな挑戦なんか言うのは、おこがましい、ただ私も描いてみようと思たんよ」
「やっぱりね、挑戦じゃない!!」
「自分への挑戦よ、私も描けるかな・・思てね、じゃけど、なかなか難しいわい、見つめる女は2枚描いたけど、最初に書いたんは破って捨てたんよ、何枚描いても同じのが出来るとは限らんわい」
私は昭和一桁の女の秘めたるパワ―を見たような気がしました。
「挑戦はもう終わりですか・・」と聞くと
「なんいよん、次も描いてみるよ」と、私の目をかっとみて決意表明していました。
母はひそかに爪を研いでいるようです。
また、渾身のイラストが描けた時はご紹介させてください。
楽しみになさっておいてくださいね。
【ばあばの俳句】
描き終えて暫し語らう冬銀河
冬銀河とは冬空に見る天の川のことです。母はブログに載せるイラストを描いている途中、暫し小休止と、星空を眺め、冴えわたった空に見える天の川や数々の星たちと心の語らいをして、気持ちを和らげている情景を詠みました。
美しい冬の銀河には人の心を癒す、優しさがありますね。
▽「ばあばの俳句」「毎日がバトル:山田家の女たち」は毎日、音声配信しています。読んでいただけたらうれしいです。
今日もたくさんの記事のなかから私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただきありがとうございます。明日も配信します。
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