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妥協なんてしない90歳のばあば
今年90歳のおばあちゃんは腰も痛ければ、足も冷えるし、立ち上がるのはしんどいし、ペンギンさんみたいによちよち歩いています。
でも見た目と心の内で燃える魂とは全く違います。
妥協がまったく無いのです。
親子二人三脚ブログの俳句とイラスト担当で母は忙しい日々を送っています。毎日更新しているので、記事のトップ画面のイラストに加えて、記事の中のイラストや俳句のイラストをお願いするので一日3~4枚は確実に描いています。
それでも母は、毎朝、更新した記事を見て、私のイラストが少ないと嘆いています。娘の私は「おそろしや―」と思っています。
気持ちを十分に考慮してイラストを多めに使っているつもりですが、それでもまだ足りないようです。
最近は母の描いたイラストを単独でアップするようになりました。
母はスキの数よりもむしろ、自分の分身のようなイラストが多く使われることに幸せを感じているようです。
母のイラストへのこだわりが表れる出来事がありましたので、ご披露したいと思います。
記事で「ハサミの魔術師のことば」を紹介しました。私たち親子が通っているカットサロンのオーナーが言ったプロならではの言葉が心に響いてご紹介しました。トップの画面には、もちろんハサミの魔術師に登場していただきました。と言っても母のイラストですけれど・・・。
母はこの記事で、ハサミの魔術師のイラストを何と、四度も書き換えたのです。
始めて描いたイラストがこちらです。
一生懸命に描きましたが、これでは先生が幼い感じがすると言って、納得できず、まず一回目の描き直しです。
母がマスクをしていない先生の顔を見たのはわずか数分です。90歳、高齢の母は、しっかり記憶にとどめようと先生の顔をまじまじと眺めていました。
その日、帰宅してからは記憶の中の先生の顔を再現しようと懸命でした。
母が次に描いたのがこちらのイラストです。
「青年の先生になってしまったわい」と言いながら、描きあがったイラスを私に見せます。ちょっと不満気に「どうじゃろか・・・・」と聞いてきます。
ちなみにどのイラストも眉毛の濃さと目の大きさは変わりません。しかしヘアースタイルが毎回違ってるのが面白いでしょう。
母はハンサムに描いたイケメン風の先生のイラストも気に入らなかったようで、再び、描き直した3作目がこちらです。
相変わらず、眉毛の濃さと、笑顔は変わらないのですが・・・。
母はまだ納得がいかないような表情をしていました。
私はちょっと似てないところもあるけれど、かなり本人に近づいてきたなと思ったので、このイラストをトップの画面に使うことにして、早速、記事に入れ込みました。
しかし、記事をnoteにアップする当日の朝早く、母が
「やっぱり入れ替えてや、これにして」と持ってきたのが、こちらのイラストです。
母は4度目にしてやっと、自分が納得できる先生のイラストが描けたようでした。
「先生が少しスリム描いてくださいねって、言よったじゃろ、これでいいんじゃないかな・・・先生に似とるし」と、母はその仕上がりに大満足のようです。
スキャニングしてイラストを記事に入れ込むと直筆とは若干濃淡が違ってきます。見出しとのバランスも大切なので、母は動きにくい足で2階の私の書斎まで上がってきて、記事の出来上がりを見て、にっこり笑ってOKサインを出していました。
まったく妥協しない、こだわりのばあば、恐ろしやです。
最近は「やまだのよもだブログ」から、ばあばのイラストのみも発信しています。記事の投稿が多くなると思いますが、これからも90歳パワフルなお祖母ちゃんを見守ってやってください。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《ばあばは何で妥協せんのかな?》
お昼前に、お餅を焼いて早いおやつをいただきながらの母との会話です。
「お母さん、ホントに、妥協せんけど何で・・・」と切り込んだ私。
「私はね、誰に何を言われるかじゃないんで、自分の精一杯をぶつけるんよ
しんどかっても途中ではやめんのよ、人がどう思うかじゃないんで、私が納得せんといかんのよ」母は自信を持ってはっきりと言い切りました。
「人の言うことは関係ないん・・」
「私が頑張ったけん言うて、人はこんなもんかやと思うかも知れんけど、私はとことんやらんと気が済まんのよ、生まれ持った性格じゃーねー」
「しんどい性格じゃーねー」
「自分が納得できんことにはいかまいがね、しんどかって、そりゃ死んだらしょうがないけど、それまでは諦めんで、とことんやるよ、死んだらそれまでじゃ」
まあ本当に、たくましい母の娘に生まれてきたものです、この精神どこか引き継がねばと思いました。
自分自身のやることにおいて、妥協しない母の精神、尊敬しています。
【ばあばの俳句】
吾なりに描く顔冬ぬくし
顔(かんばせ)とは顔、顔つきや容姿のことです。母はイラストの中に生きる人の表情を自分なりに描いています。よく登場する顔は、私たち親子になりますが、どことなく似ていて、どことなく違います。
母は誰のマネして描いているわけではなく、自分自身が想像した人物を描いているようです。
冬と言えども心も魂も暖かい心地よい気分で、イラストを描く自分の心を詠みました。
▽「ばあばの俳句」「毎日がバトル:山田家の女たち」は毎日、音声配信しています。読んでいただけたらうれしいです。
今日もたくさんの記事の中から私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただきありがとうございます。明日も配信します。
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