一陽来復 仕事始めは『仮銘 こり咲く梅』の截香

新しい年になっても情況に前向きな変化は見られませんが、香雅堂一同は、昨年と同様に「うつらず・うつさず」をひたすら心掛けて参る所存です。

仮銘 こり咲く梅①

さて初春の推奨香木『仮銘 こり咲く梅』はおかげ様で大好評を博しており、本日の仕事始めはその截香に追われて嬉しい悲鳴をあげていました。

典型的な緑油伽羅を堪能すると同時に他のタイプの伽羅も聞き比べてみようとお考えの方々も多くおられるようで、それらのご注文も頂戴しています。その代表的な例の一つが、上品な「辛」が際立つ典型的な黄油伽羅『仮銘 風の梅が香』です。

黄油伽羅② (2)

茶色く見えるようですが、典型的な黄油伽羅です。
いわゆる「大向こう受けする」伽羅とは真逆のタイプかも知れませんが、
このように上質で上品でふくよかに匂い立つ黄油伽羅はとても珍しく希少品(むしろ古の名香に良く見られるタイプと言えるかも知れません)のため、お奨めできます。
この機会に一段だけ挽いておきましたので、どうぞご用命下さいませ。

黄油伽羅② (1)

もう一つは高貴な透明感が印象的な紫油伽羅『仮銘 にごらぬ波』です。

にごらぬ波A

こちらも新たに一段だけ挽いておきました。

にごらぬ波B

やや堅いタイプの紫油伽羅ですが、樹脂化の密度が高い部分の挽き粉は粘りがあり粉末になりません。

にごらぬ波 挽き粉②

断面を見ると黒っぽい部分だけではなく薄茶色の部分も見受けられます。
それらの部分は樹脂化の密度がやや低いことを表していますが、持ち味が極端に変化することは無く、もちろん「匂いの筋」も変わりません。

本年も、香木が具える「人智を超える不思議な力」の恩恵をできる限り多くの皆さまと分かち合えます様、推奨香木の案内に尽力したいと存じます。
相変わらずご高誼に与かります様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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