「まぼろしの推奨香木」を復活させて、限定販売いたします♩                       ―7月の推奨香木「仮銘 風の移り香」

5月に開催した聞香会(特別会第三弾)では、かつて推奨香木として販売していたものの残りが僅少となって中止させていただいたものや、推奨香木としてなるべく多くの愛好者の皆さまに分木してお愉しみ戴きたいと思いながらも塊が小さ過ぎて販売に至らなかった近・現代の名香たちをピックアップして、次のようなメニューで炷き出しました。
(当日のメニューのままコピーします)
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聞香会~香木三昧のつどい~特別会第三弾
「まぼろしの推奨香木」を味わう ㈠ メニュー(予定)

一.仮銘 木間(寸門陀羅)

  夕づく日よそにくれぬるこのまよりさしくる月の影ぞ涼しき
                           (後宇多院)二.仮銘 曙の空(羅国)(ベトナム産沈香)

  これや此のうき世のほかの春ならむ花のとぼそのあけぼのの空(寂蓮)
 
三.仮銘 宿の立花(羅国)(ベトナム産沈香)

  過ぎぬとも声のにほひは猶とめよほととぎす鳴く宿の立花

四.仮銘 風の移り香(真那賀)(タイ産沈香)

  春の夜は吹き舞ふ風の移り香を木ごとに梅と思ひけるかな
                           (崇徳院御製)五.仮銘 紅(真那賀)(タイ産沈香)

  白雲は然も立てば立て紅の今一入を君し染むれば(康資王母)

六.仮銘 惜しむ心(佐曾羅)

  風さそふ花のゆくへは知らねども惜しむ心は身にとまりけり
                           (西行法師)

(注)今回の特別会に炷き出す香木はいずれも分木の対象外となり、
     聞香会セットの用意はございません。
          ご諒承のほどお願い申し上げます。

日時 令和五年五月三十一日
午前十時~十二時、午後二時~四時
場所 麻布香雅堂 守拙庵
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いずれ劣らぬ近・現代の名香(「仮銘 木間」・「仮銘 惜しむ心」は明治時代以前)の香気を堪能していただきましたが、長年に亘り封印していて忘れていたものの、記憶よりは多めに残してあると気付いたものがありました。
そこで、「意外に多く残してあるから、もう少しだけ分木させて戴こうか、創業40周年記念感謝企画の一環として!」という運びになりました。

対象としては現在のところ二種に絞っており、一つは「仮銘 風の移り香」、もう一つは「仮銘 惜しむ心」です。
どちらも以前に発売した際にはあっと言う間にお申し込みが殺到して、恐れをなして早めにストップさせて戴きました。
ベトナム産沈香の羅国「仮銘 春吹風」やタイ産沈香の真南蛮「仮銘 白雲」などはいずれも塊が2.5㎏以上ありましたから、いくら売れても売り切れるには何十年もかかりそうで心配無いのですが、一木の大きさが何百g、あるいは数十gの場合も多くあって、可能な限り多くの香木愛好者に分木したいと願っても、叶わないことが多いのです。

先に復活させるのは「仮銘 風の移り香」です。
ここのところ外国人がオンラインストアで推奨香木を爆買いされる事例が頻繁に起きてしまい、苦肉の策として「一種類につきお一人様3個まで」などと、まるでテレビ通販みたいな制限を付けており申し訳ございませんが、今回の復活では「お一人様2個」とさせて戴きますので、ご諒承のほどお願い申し上げます。

大きいように見えますが、かなり小さくなっています^^;

「仮銘 風の移り香」は、初見では伽羅かと思いましたが、火末まで聞香するにつれ、特有の「曲」を含んだ甘を放つように変化を見せ始めました。
「伽羅立ち」する、タイ産沈香の真那賀です。

「伽羅系」あるいは「伽羅落ち」と呼ばれる伽羅を代用した真那賀とは全くの別物ですので、違いを把握して戴くにも役立つ稀少な沈香として、推奨申し上げます。
証歌は、メニューをご参照下さいませ。

なお、上記メニューを決める際に「仮銘 木間」から選び始めた関係で沈香ばかりをピックアップすることになり、伽羅まで到達できないままに6種が決まってしまいました。
次回の「まぼろしの推奨香木(二)」を選ぶ際には、伽羅から始めたいと思いますので、どうぞご期待下さいます様お願い申し上げます。

それから、今回はメニュー外の飛び入りとして『香筵雅遊』921様が大昔に命銘して下さった沈香の佐曾羅『関の夕風』も披露させて戴きましたが、次回には古伽羅の名香を隠しメニューに入れようかと考えています。
どうぞお楽しみになさって下さいませ。

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