「仮銘 澄める月」の截香を終えました♪

大昔に割れ目に浸水があり、内部が朽ちているように見受けられましたが

聞香会「まぼろしの推奨香木」の選にはもれたものの相当に古くから大事に扱って来た、いわゆる「よし恵コレクション」の一つ、「仮銘 澄める月」を6月の推奨香木に決め、このほど截香を終えました。
先ず、割れ目を広げるかたちで縦に割ってみました。

朽ちて茶色に変化した断面の所々に樹脂分が滲出して光っています

内部は、予想通りほぼ朽ちていますが、どういう経緯なのか、樹脂分が滲出しています。
どうやら完全に樹脂化を遂げた後に何らかの理由で割れ目が生じて、そこに雨水が浸水して、永い歳月のうちに香木の組織を朽ちさせたと思われます。
と言いますのも、朽ちた部分も樹脂分も、加熱するとそれなりに沈香の寸門陀羅として好ましい芳香を放つからです。
そこで、朽ちた部分を予め掃除してしまうのではなく、「仮銘 澄める月」の一部として分木することにさせて戴きました。

一炷分のサイズに挽いて…

割っていくと、結果的に、こんな具合に欠片になってしまいます。
木目が素直でない部分が大半を占めており、きれいに割れないのです。

そんな訳で、組香にはお使いになり辛いこととは思いますが、却って色々な箇所の立ち方を一炷聞きで味わって戴けて面白いかと想像しております。

沈香の寸門陀羅に特有の 香気を捉えていただける稀少な一例として、どうぞお愉しみ下さいます様お奨め申し上げます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?