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頭上に広がる桜の枝を眺めながら、小木野が手元の紙コップに唇をつけると、砂糖たっぷりのホイップクリームを思わせる濃い甘味が口内へ流れ込んだ。 コップの中身を一息に飲み干し、小木野は「ふほう」と気の抜けた声を漏らした。レジャーシートに置いた1.5リットルサイズのペットボトルを開けて、こぽこぽとコップに液体を注ぎ足す。 「小木野さん? 何してるの?」 蓋を閉めて二杯目に移ろうとしたところで、背後から訝しむような声がかかった。 小木野は頬の筋肉をへんにょりと緩め、コップ片手に