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「アップデート」について

今日、以下に紹介するのは、2023年の5月末日──土日祝日を除くほぼ毎日更新していた総合ニュースサイト『citrus』(※現在はクイズサイトにリニューアル)での最終回に寄稿したコラムです。突如削除されるリスクもあるため、リンクではなくコピペで再掲載してみました。まあ読んでみてくださいm(__)m

5月24日の「ヤクルト×阪神」戦(神宮球場)──阪神が九回2死からまさかの逆転勝ちで4連勝! 佐藤(輝)の2点二塁打で試合をひっくり返した直後、ベンチから思わず飛び出してしまった岡田彰布監督の姿がツイッターで話題になっていた。
両手を広げて大喜びする岡田監督を「グリコポーズ」「やっぱりグリコやん」と、大阪・道頓堀にある「グリコサイン」と重ね合わせるファンも。「老かいな知将」というイメージで、第一次阪神監督時代は決して選手と一緒にはしゃいだりはしなかった指揮官が感情を爆発させたことで、

「こんな喜ぶ人やったっけ?」
「こういうキャラだったっけ?」
「岡田監督がベンチを飛び出して喜ぶなんて」

…など、驚きのつぶやきも、
ネット上に多く寄せられた。

さて。我が愛する阪神タイガースの快進撃(※ゴメス註:その後はご存じのとおり制覇と日本一を達成!)に、つい頬も緩み、私が “第二の書斎” としている『喫茶室ルノアール』の、ベイスターズファンである店長さんからは毎度嫌味をこぼされるのも致し方ないのだけれど(笑)、今年から劇的な変貌を遂げたタイガースの姿に、少なからずの勇気を与えられている野球ファンは、とくにトラ党ではなくとも…案外多いのではなかろうか。
岡田監督は現在65歳──ジャイアンツの原辰徳監督(現64歳)をも飛び越えた12球団中の(現役)最年長監督である。つまり、このたびの(二度目の)起用は、監督やコーチも “若返り” を求める傾向にあるNPB…いや、日本社会全体の潮流に逆行した “大抜擢” であったのだ。
そんな「時代遅れ」との声をものともせず「老かいな知将」が…若手監督たちが実直に打ってくる一手一手を詰め将棋のごとく先読みし、撃破のタクトを振るうさまは…(とくに)我々中高年世代からすると
痛快そのもので、

「ああ…まだ、自分たちも頑張れば、岡田サンのように活躍のステージを見つけられるのかもしれない」

…と、ささやかな勇気を与えてもらった。
もちろん、我々側だって岡田監督と同様、アップデートを常に怠ってはいけない。若い世代と真の信頼関係を築き──ときには「グリコポーズ」(じゃなくてもいいのだが笑)でオジサンの “可愛さ” をアピールしつつ、若い世代特有の思考傾向や、最新のテクノロジーを真摯かつ素直に学ぶ姿勢は不可欠である。
そして、そういった謙虚な意識を持った中高年世代が増えることによって若い世代との垣根が消え、日本人…いや、世界中のすべてが違う世代と学び合い、助け合いながら共存できる世の中になればいいな…と、私は心底から願っている。

ってなわけで、ここcitrusに寄稿するワタクシ山田ゴメスのコラムは今日で最後であります。citrusの前身である『All About News Dig』からも含め、約10年間──毎平日、私の独善的な主張を広い心で発表する場を与えてくれたcitrusさんには
とても感謝している。
明日からは、より「アップデート」された “ゴメスの考え” を、あらゆるツールと積極的に向かい合い、さまざまなメディアで発信していくつもりなので、これからも変わらぬご愛読のほどを、
何卒よろしくお願い申し上げます。


【ゴメス追記】
ぼくはわりと “本音” をうやむやにすることによって読者を煙(けむ)に巻くタイプの、いわゆる「嘘つき」なんですが(笑)…ここに書いていることは、まごうことなき “本音” であります。
「文章力のキープ」は “筋トレ” 同様「とにかく書き続ける」が大切…というのがゴメスの持論であり、10年にも及んで一日一本(わりと)好き勝手なことを書き散らせる “治外法権下” におけるトレーニングの機会を強いてくださったAll Aboutさんは…ぼくからしたら、とてもありがたい存在でありました。あと、デビュー時にいただいた仕事──「中一日で30本のAVレビュー」も、後半は「左手でビデオのリモコンを操作しながら、右手で(当時は)手書きの原稿を書く」という離れ業(笑)もこなせるようになり、分泌…うんにゃ、文筆業者としての基礎体力を育むのに、ずいぶん役に勃ち…うんにゃ、立ちました。
「若い世代特有の思考傾向や、 最新のテクノロジーを真摯かつ素直に学ぶ姿勢は不可欠」というくだりも、やはり偽りない “本音” であります。
たとえば、某メディアで20代の担当編集者が、ぼくが入稿した、とあるインタビュー原稿に、やたら「(笑)」を加えるような修正を施してきたことがありました。

「──趣味はなんですか(笑)?」

…みたく、質問部分(=「──」の部分)の大半に「(笑)」が(笑)!?
ぼくらのように紙媒体仕事を通過してきた
世代のライターは、

「一つの記事に(笑)は多くても2つまで!」

…などと叩き込まれてきたものですが、昨今の縦スクであるネット原稿では…もしかすると、こうした「(笑)」のオンパレードのほうが、リズム感的に馴染みやすいのかもしれない…。

もちろん「正解」は、現時点(少なくともぼくには)わかりません。が、過去のセオリーに固執しすぎてただ一蹴するのではなく、とりあえず一度は疑問を抱いてみることこそが「世界中のすべてが違う世代と学び合い、助け合いながら共存できる世の中」を築くための、ささやかな「アップデート」へとつながるのではないでしょうか?

8月ごろからほぼ毎夜…18時〜22時あたりまではまったく
仕事が手につきませんでしたw。
来年はちゃんと真面目に仕事します!

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