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ご近所の騒音問題でノイローゼになりかけた話 その2

下の階の山田がバンド練習を始めた日から、予想通り加速度的に騒音がひどくなっていった。山田のパートはベースだった。毎日昼夜かまわずベースの自主練をしている。ベースなので単調なリズムを永遠に繰り返す。しかも、音は寝ている私の真下から聞こえた。

山田は夜勤のアルバイトをしているからか時間の感覚がズレており、深夜を中心に友達が遊びにきては騒ぎ、ドアを振りかぶって閉めているとしか思えないような爆音をたてて開け閉めし、外でタバコを吸いながらしゃべっていた。
アパートの一室をライブハウスだと認識しているのだろうか。

私がその時勤めていた会社は、相当忙しく難しい仕事をこなさないといけなかったので、夜眠れないのは本当に厳しかったが、まだ私の中には少しの余裕があった。この状況を楽しんでいる自分がいたのだ。これは私の悪い癖で、変な人や状況を面白がってしまうところがあり、次は何をしてくれるん?とさえ思っていた。

そんな中、ゴールデンウィークに実家に帰省して戻ってきたら、山田の部屋は無法地帯になっていた。
4月の時点では、友達が来るのは週に2、3日程度だったのだが、戻ってきた時にはほぼ毎日深夜に友達が来るようになっていた。深夜と言っても、以前のような23時とかではなく、24時からスタートして朝5時に帰る、みたいな日々が続いていた。

さすがに頭にきて、管理会社に電話をすることにした。
管理会社の女性は、山田のポストに警告の手紙を入れておきます。と言った。

しかし、山田はそんな事で騒音の手を緩める奴ではなかった。管理会社に連絡した後も、何一つ変わらなかったのだ。

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