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創作マンガ「アンチェイン・ユニバース 氷と炎の空」


本編

振り返り

拙作をお読みいただきありがとうございます。
解説とか振り返りとか反省会的なことをしていこうと思います。
僕の過去作はpixivにまとめてあるので良かったらどうぞ。一応どこから読んでも大丈夫なようにしているつもりではあるんですけども。

今回の話にメッセージ性は特になく、コンセプトは「とにかくただバトルさせてみる」というもの。
これまで氷精ベルのバトルシーンは何度か描いているんですが、どれも2,3コマで敵をブッ飛ばしておしまい、というものだったので、「対等な力を持つ者同士の拮抗した戦い」を描きたかったわけです。

そのきっかけは、「メイドインアビス」の64話に感銘を受けたことでした。
以下、メイドインアビス64話の若干のネタバレを含みます。

メイドインアビスの64話をざっくり説明すると、主人公のレグと、ほぼ初登場だったニシャゴラというキャラが、試合をするという内容。

・試合なので命懸けの戦いではない。
・腕試しのようなものなので、この試合の勝敗は後の展開に影響しない。
・レグとニシャゴラは初対面なので、宿命や因縁は全くない。
・レグが内面に葛藤を抱えていて、この試合を経て葛藤が解消される…というようなこともない。

…というような感じで、パッと見て分かる「盛り上げ要素」は無いように思える。しかしこの「試合するだけの回」はやけに見ごたえがあった…。

これまで物語における「面白いバトルシーン」というのは、ある種の感情の清算シーンだと思っていました。上で挙げたような、因縁の決着とか、内的葛藤の解決とか、そういうこれまで貯めたエモさの清算をバトルで行う、と。
しかしメイドインアビス64話はそういう清算なしに面白いバトルだったので、そういうバトルシーンだけにフォーカスしたマンガを自分も描けないかな、というのが着想の始まりです。

で、プロット練っている時に思ったんですが、やっぱりメイドインアビス64話も清算のお話だったのかな、と。ただし感情の清算ではなく、手札の清算。

メイドインアビスの主人公レグには「火葬砲」という必殺技があって、これまで重要な戦いでは必ずこの火葬砲を使っていました。なんなら作中で「火葬砲に頼りすぎ」という指摘を受けることもあるほど。
でもこのニシャゴラとの対決では火葬砲は使いません。試合だから、殺傷武器である火葬砲は使えないわけです。(当たったらニシャゴラを殺してしまうので。)
必殺技を使わずにレグはどこまで戦えるのか、今のレグにはどんな手札があるのか、ということを読者に改めて示した、そういう清算シーンだったのかな、と。

ということで、エモさの清算ではなく氷精ベルの「なんでも凍らせる」という能力はどういうものなのか、ベルが本気で戦うとどうなるのか、というようなことにフォーカスしてみました。これまでは冷凍ビームを撃つだけだったので。

…なんだけど、結局戦いが進むにつれて「人間との思い出もあるから、あんまり人間の街に被害を出したくない」という感情面の動機をベルに与えてしまった。おい!
やっぱりヒーローが人助けをするお話を描きたいらしい。

アクションシーンがいっぱい描けて概ね満足ではあるのですが、コマとコマの繋がりがやや性急な気がしないでもない。このあたりはプロットの作りが甘いせいだと思っているので、次回以降の課題としたいですね。

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