意味は分からないけど好きだ。

この夏出かけたと言えば、コロナの影響で延び延びになっていた、林田球のドロヘドロ展ぐらいだろうか。

ワタシはドロヘドロはアニメから入った完全なるにわかだ。本屋でコミック担当をしてたにも関わらず。

あんな面白い漫画を今まで読まなかったなんて、恥ずかしすぎて人に言いたくない。

そのドロヘドロ展に、明らかアニメから入ったにわか同志っぽい全身タトゥーだらけの金髪の若者がおり、その彼が「俺、この人にタトゥー入れて貰いたいわ」と言っているのを聞いた。

いや、そんなんワタシも林田球にだったら描いて貰いたいわ!

と、一方的に火花を散らした。

夏の思い出が、それっていうのがしょーもなさすぎる。

にわか同士の一方通行なしょーもない思い出はさておいて、歌を聴くときワタシには、ついつい歌詞の意味を考えてしまうという、あまり良くない癖がある。

なぜ良くないのかというと、歌詞の意味を考えすぎて曲も頭に入ってこないからだ。

どんなにいい曲でも、歌詞の意味が分からないというだけで、整理がつかない。

そういう意味で昭和の歌というのは、歌詞の意味がわかりやすくて嫌いじゃない。別に聴かないけど。

正直、歌には全く詳しくもないし、有れば聴くし無ければ無いなりに過ごす方なので、大ファンという歌手も居ないし、バンドもない。というか知らない。ついでに言うと、流行りの歌は殆ど知らない。

そんなワタシはここ一年ほど、昔は全然好きじゃなかったブランキージェットシティというか、浅井健一が、めちゃくちゃ気になっている。

何かのきっかけでブランキーのアルバムを聴く機会があり、あれ?結構いい?と、今更良さを知った。すでに解散しているので、もう、いいも悪いもないんじゃないの?という感じなのだが、何がよかったって、歌詞だ。

歌詞が凄くいい。というか、間違ったら吐きそうな程カッコいい。そして、意味を理解できる。この人は詩人なんだ。ということに感動して調べたら、浅井健一歌詞展までやっていた。キュレーターは天才か。そうなる。そうなるべくして、浅井健一は詩人なのだと思った。

こんな風に、いちいち歌詞の意味を考えてしまうワタシなのだが、一個だけ、考える事をやめたバンドがある。もう、歌詞の意味を問う事をやめた。というか、このバンドに歌詞の意味を問う意味がない。と思っているからだ。

最近よく見るカシマシじゃない方のエレファント、そう、thee michelle gun elephant だ。

意味がわかる歌詞もあるのかもしれないけど、ワタシがよく聴く彼らの歌の大体は、歌詞の意味が分からない。

サタニックブンブンヘッドなんて、サタニックブンブンヘッドという謎の言葉を繰り返すだけだし、バードマンなんて、マジで全然なんの話をしてるのか分からない。

_人人人人人人人人人人人人人人_
> セビレしびれたいなら!? <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

という感じだ。

鳥なのか、魚なのか、なんなのか?

メジャーデビュー曲の世界の終わりだって、ワタシの想像力が欠如しているのか、真っ赤な夕焼けの差し込む部屋で、気の狂いかけた男女が「もう世界が終わるわよ」「ああ、そうだね」とか気の狂った会話をしてるイメージなのだ。そのまんまだ。もしかすると、雑誌とかで歌詞について色々語ってるかも知れないのだが、ワタシはそこまで詳しく追ってなかったので、冗談抜きで意味不明だ。

初めて聴いた時、ハスキーってロシアンっていう種類もいるんだ。と、思った人は少なくないはずだ。ワタシだけか。注意しておくと、ハスキーの正式名称はシベリアンハスキーで、ロシアンハスキーという名前の犬種はない。

ここまで書いたらdisっている様に思われるかも知れないが、そういうつもりはない。何故ならワタシはミッシェルが好きだからだ。何が好きって、曲がカッコいい。そして、その全く意味がわからない歌詞も好きだ。なぜミッシェルは歌詞が不明なのに、聴き続けられるのか?という部分に関しては二説ある。自分の事だけど。

一つは、そもそも、曲が好きなので、曲に集中している。というもの。

ほんとに全然、音楽には詳しくもなんともないのだが、スウィングジャズとか、ロカビリーとか、サイコビリーの類が好きなので、ミッシェルの曲は、もちろん曲によるが、前奏からスウィングを踊り出しそうになる。ちなみにスウィングはこんなダンスだ↓

https://youtu.be/VmvKrPUo97E

高速足捌きのせいで、残像しか見えない。

どうでもいいけど、ダンスするなら、ワタシは絶対、スウィングだと決めている。今のところ踊る予定もないけど。

二つ目の説は、歌詞の意味の分からなさが、突き抜けている。というものだ。

ワタシの場合、洋楽は歌詞をこれっぽっちも気にしない。意味を考える以前の問題で、英語がほぼ理解出来ないからだ。もしかすると、良いと思って聞いてる歌も、実は「sex on the beach」並に、アホみたいな歌詞かも知れない。

洋楽に限って、歌詞は二の次だ。

ミッシェルはそんな感じだ。

ただ、日本語で歌ってる限りは、繰り返し聞いてる内に、なんと言ってるのかが分かってくる。そこが洋楽と違うところだ。そうなると、ついつい歌詞を考えてしまい、え?なんて?ちょっと意味が分かりません。と、最初はなったのだが、

え?意味わからん……と、そう思いつつも

フリーデビルジャーム!!!

と、一緒に大声で歌い出している。

何故か?

カッコいいからだ。言葉選びのセンスが凄い。もちろんちゃんと文章になってる物もあるが、サタニックブンブンヘッドの様に、単語の羅列なだけのこともあるし、造語も見かける。

ちなみに造語は難しい。

ワタシの様にやたら世間の目を気にする人間は、え?意味がわかりません。と、思われるのがそもそも怖いので、自分で言葉を作るという発想がない。今使われている言葉の中には、昔の小説家が小説の中で作った言葉もある。自分にそれができるか? と言われたら、ワタシには絶対出来ない。

そういう意味で、恐らくチバユウスケは浅井健一とは種類の違う詩人なのだ。多分。知らんけど。

今の時代、売れるものは「共感」らしい。バズるって、まさに共感が生み出す物だし。

ただ、一時代を築くほど人気だったミッシェルガンエレファントの歌を聞いてると、共感なんて必要!? と思う。

もはやイギリス国家だとも言われているらしい(?)オアシスのDon't Look Back In Anger だって、意味の分からない歌詞がある。作った本人も「自分の曲の歌詞の意味なんて分からない」と言ってるそうだ。作った本人も意味が分からない歌詞に、共感してる人はきっといない。イギリス人でも、オアシスのファンじゃなくても知ってるし、歌えるほど知名度の高い歌なのに。だ。

ちなみに最後にミッシェルの好きな歌を紹介しておく。どうでもいいだろうけど。

ジェニー

嵐の中で行方不明になった女を探す、アイルランド辺りの農村の男の歌だと思っている。勝手に。なぜアイルランドかは分からない。

プラズマダイブ

前奏で先のYouTubeの様な、高速スウィング足捌きを披露したくなる。出来ないけど。

武蔵野エレジー

大阪人のワタシは武蔵野に対する知識が乏しい為この歌を聞くまで武蔵野は、だだっ広い草原が広がり、ススキがボウボウの中で武士が決闘する場所というイメージだった。武蔵野の知識どころか、21世紀の知識も乏しい。武蔵野にもマティーニの雨が降るのかしら? お洒落だな……。







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