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「歌は左右のスピーカーから同じ音が出る」歌ってみた。セルフMixしたい人が読む記事(2)

歌はスピーカーが2つでもスピーカーが1つの時と同じように再生されます。なので、自分の歌を録音した音源のレベルメーターを見ると左右(2本)とも同じ動きをします

レベルメーターは音が流れると水色のメーターです。この画像で例えるなら一番右端にある音源は左右で同じ音が流れ、他の音源は左右不均等な音が出ていることがわかります。

オケはスピーカーの左右で不均等に音が鳴る

次にオケ(インスト音源)は歌と違い、左右のスピーカーから均等に音が流れません。故障ではありません。そういった録音方法が用いられているからです。

歌はモノラル、オケはステレオ

専門的な用語で歌はモノラル音源、オケはステレオ音源と言います。歌唱で使われる音源はモノラル音源です。
現在ステレオ録音される歌唱も存在しますが、ここではモノラル音源として取り扱います。

モノラルとステレオを同じ音量で流すとどうなるのか?

「歌が際立ちすぎて楽曲の中で浮いている」「歌がオケに馴染んでいない」と言語化される聴こえ方をします。では、なぜそのように聴こえるのか。それはモノラル効果が働いているからです。

モノラルで録音された歌は、一つのポイントから音が出力されるため、よりフォーカスされたサウンドを提供することができます。特にボーカルが中心に配置される場合、モノラル効果によりボーカルの存在感や明瞭さが強調されます

歌に明瞭感は必要です。しかしそれが楽曲の中では際立ちすぎて上手くいっていないわけです。

「歌がオケに馴染んでいない」という感覚がわかりません

まずはじめに「歌がオケに馴染んでいない」と言われても「わかりません」となるのが普通です。むしろ最初からわかる人がいたら才能しかありません。

オケに馴染んでいない音源を自分で作る

オケと歌を並べて音量を調整しただけの音源を書き出します。そして、Metric ABを使って原曲と聞き比べます。(触れるメーターの幅は同じにします)
歌の上手さに惑わされず「○○~♪」の「~」の部分を注力して聴きます。するとオケに馴染んでいない音源はバツッっと切れ、原曲は伸びやかになっていることに気づきます。これが「残響(ディレイ)」と呼ばれるものです。

もっと良く聴くと1音1音の伸びやかさ、音の響き、豊かさのようなものにかけ淡白に感じられます。それが「反射(リバーブ)」と呼ばれるものです。

MetricABがない場合、レベルメーターをみながら音量を揃え、原曲と自分の曲をトラックに並べぽちぽち切り替えます。

馴染んでいない音を知って初めて音を馴染ませることができる

Spotifyの音源(商業作品)はすべて歌とオケが馴染んでいるものです。プロのエンジニアの成果とも言えます。こうした違いは普段意識して聴くことはないと思いますが、Mixするうえで残響と反射の適用量(深さ)を判別することは非常に重要です。

予習:空間系エフェクト「ディレイ」「リバーブ」

様々なエフェクトが存在しますが、ボーカルMixにおいて極めて重要度が高いエフェクトがディレイとリバーブです。
これらのエフェクトは様々な使われ方をしますが、今回は「歌をオケに馴染ませる」という目的とします。

私はディレイ2個、リバーブ2個、の計4個の組み合わせですが中にはディレイは使わないという人もいるかと思います。(多ければいいというものでもないです)

以降の解説でディレイやリバーブについては詳しく解説していきますが、現段階ではこれぐらいの理解でOKです。

Mixの中でボーカルMixは突き詰めると難しい

個々の音を作るサウンドメイク、複数の楽器を組み合わせるパラMix、歌とオケを組み合わせるボーカルMix、大きくこの3つのMixがあります。
その中でボーカルMixは最も難しいと思います。なぜなら歌い手とオケが毎回違うためです。
とはいえ、サウンドメイクもパラMixも予定にないのであればボーカルMixを積み重ねて経験値を伸ばすことをオススメします。
ただMixが楽しくて色々やりたい。という人は色々なMixに手を出してみることをオススメします。もちろんMixですからどのMixもボーカルMixに活かすことが出来ます。

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