見出し画像

【高騰】今ブラック・ロータスに何が起きているのか?(2/15/2021)#アド速#デュエマ担当ヤマダ

《Black Lotus》の高騰が止まらない。
今年に入ってから4000円台を突破したと思ったら、今週にはとうとう6000円に届きそうな価格まで上がってきた。
(安いなって思った人向け:これはデュエマ版《Black Lotus》の話です)

その一方で、このカードを使ったデッキが活躍したという話は全く目にしない。そもそも、リモート以外の大会は全て中止されている。

今、《Black Lotus》に何が起きているのだろうか?

PSA鑑定の流行

トレーディングカードの鑑定事業を行っている『PSA』という会社がある。元々、MTGやスポーツカードの世界では有名な存在だ。
カードの状態や品質からカードをグレード付しており、高いグレードを獲得したカードは「よりキレイな、より精巧なカード」ということが保証されるので、通常の市場相場よりも高い価格で取引されることも多い。

全てのカードのPSA鑑定品に価値があるわけではなく、人気のカードや貴重なカードでこそ、鑑定品の価値が高まる傾向にある。先に挙げた「エルドラード」さんのTwitterで紹介されているカードはいずれも人気のクラシック系カードであり、保存状態の良いカードがなかなか手に入らないものだ。故に、PSA鑑定で状態が保証されている物に需要があることもうなずける。

カードゲームで近年高まってきたコレクター需要の流れに乗って、今年に入ってからMTG以外のゲームでもPSAの話題を目にすることが増えてきた。
そして、このデュエマ版《Black Lotus》も、PSA鑑定品がにわかにあらわれたのだ。

https://www.mercari.com/jp/items/m59171991951/

https://www.mercari.com/jp/items/m40433141227/

いずれも、PSA10(最高ランク)の《Black Lotus》が相当の高額で取引された履歴だ。

デュエマ版《Black Lotus》はMTGのコレクターにも人気のあるカードであり、「より良いコンディションのカードを蒐集したい」という需要が高いカードだ。結果、このように鑑定品の価格が大きく上昇した。

そして、先に挙げたクラシック系カードと大きく異なるのは、《Black Lotus》は最近発売されたカードであり、市場にもまだ十分にキレイなカードが残っているカードだという点だ。

つまり、今から《Black Lotus》を手に入れて、それを鑑定に出したとしよう。無事に高評価を獲得することができれば、それだけで市場価値が大きく上昇するのだ。

よって、結果的に未鑑定の《Black Lotus》の需要も高まり、価格が上昇したわけだ。

その『10』の価値とは

夢の錬金術のような話だが、落とし穴もある。
PSAのグレーディング基準には、カードの状態(傷や汚れ)だけではなく、製品そのものの品質も含まれている。カードの縁が少し偏っているなど「エラーカードというほどではないな」といった感じのズレなども減点の対象となる。

例えば古いMTGのカードなどはそもそも品質があまり高くない。ちょっと枠がズレているなんてのは日常茶飯事だ。さらに、スリーブを使う習慣がない時代には当然、カードは裸のままシャッフルされていた。ボロボロに傷ついて当然の環境だ。
そういった前提・時代背景を踏まえると、「印刷にズレもかすれもなく、角のカットも完璧で、かつ保存状態も良い」古いカードにつけられた最高の評価には、非常に価値がある。

一方で、デュエマ版《Black Lotus》は近年のカードであり、日本の製品なので品質も高い。10枚あれば10枚、品質にほとんど問題が無いだろう。
かつ、元々ゲームシーンでそれほど使われているカードではないので、状態も傷みにくい。スリーブの概念すらなかった時代のカードとは前提が大きく異なってくる。

つまり、「そもそも『PSA10』に相当する《Black Lotus》はさほど珍しくないのではないか?」と予想している。

今市場から消えているデュエマ版《Black Lotus》が無事高評価を得て手元に帰ってきた時、今ほどの価格がつくのかどうかは疑問だと言わざるを得ない。

購入を検討している方は今一度慎重に。
本当にその価値があるのかを問われるのは、まだこれからだ。

参考リンク

(Youtube『トモハッピーチャンネル』より引用)