わたしやっぱり歌うのが大好き
土曜日。
一日中ゴロゴロしていたかったけど、意を決してスポーツ用品店へ行った。
わたしは店員さんと話すのが死ぬほど苦手なんだけど、この日は足に合うランニングシューズを買わないといけなくて、恐る恐る話しかけた。
対応してくれたお姉さんはとても親切で、シューズを選びながら履き方のレクチャーもしてくれた。
「靴紐を好きな色に替える人もいるんですよ〜!気になったら挑戦してみてください
ね〜!」
ほえー、そんな文化もあるのか。
お姉さんはとても素敵な人だったが、それはそれとして疲れた。
近くに鳥貴族があったので、ご褒美の一杯をいただいた。
帰り道、ふとカラオケが目に入った。
そういえば最近一人カラオケをしてない。
でも飲んじゃったしなー、夜は高いしなー。
……と思ったけど、行っちゃった。
「今日は行くべき日」って思ったから。
2時間存分に歌ったら、すごくすごく楽しかった。
誰もいないから、採点モードにして気になった曲を次々に挑戦していく。
特別良い点は出なかったけど、久しぶりの割には悪くない。
帰りのエレベーターで、あまりの充実感にじーんとしてしまった。
やっぱりわたしは歌うのが大好きだった。
疲れていても、そうでなくても。
何かを大好きだと思う気持ちは、大人になるにつれ段々薄れていってしまってるような気がする。
でもここに、ちゃんと残ってた。
これだけは失くさない、ぜったいに離さない。
下手くそでも、素人でも、わたしは一生歌い続ける。
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