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BTSメンバーが事務所の株式公開で億万長者というニュースから考える

 BTS(「防弾少年団」という表記が懐かしく感じますねww)の所属するビッグヒットエンターテインメントは株式公開を予定していて、その際にBTSのメンバー7人に付与していた株が、一人あたり6万8385株あって、上限金額だと一人あたり8億円以上の収益があるとのニュースです。

 日本の芸能界では、大手事務所の統制を避けて、大物タレントが独立する動きが目に付きますが、韓国芸能界は日本の2周くらい先を行っている感じですね。K-POPはもともとは、日本発の動きでした、元祖的な存在であるBoAや東方神起は日本製K-POPと言って良いと思います。韓国音楽業界はは、ビジネスのやり方そのものをどんどんアップデートして、今や目指す市場もアメリカ、そしてグローバルに向かっています。日本は韓国から学ぶべきことは本当に多いです。
 僕もスタートアップスタジオという発想に飛びついて、エンターテックをテーマに起業家と新事業を育成する仕事を本業に選びましたから、もちろん資本の論理の透明性や成功時のスケール感は素晴らしいと思っています。ただ、エンタメビジネスは、そもそもコンテンツやアーティスト自体が株のような存在で、短期間で大化けして巨万の富を生むというビジネスだったはずです。資本市場からのリターンに依存する形が広まりすぎると、良い作品をつくる、継続的にファンとの関係を築いていくというエンタメビジネスの「美風」が損なわれないかなと言う心配がないわけではありません。アメリカのHipHopアーティストはいち早くキャピタルゲイン手法に目をつけて、JayZはTidalを明らかに時価を上げて株で儲ける狙いで経営していました。音楽サービスの成長のさせ方としては、歪だったと僕は思います。自分たちのネームバリューや楽曲の許諾を株価のしかも短期的な上昇を目指すというのが健全なやり方とは思えません。今回のビッグヒットの話は、美談だし、上手なやり方だとは思いますが、それだけに、エンタメビジネスには従来型の株式公開とは違う、エンタメならではの資金調達の仕組みが必要なんだなと直感的に感じました。新しいサービスをつくる意図のある方は是非、一緒にやりましょう。VALUというサービスで小川晃平君が唱えていた「評価経済ベースのユーザーダイレクトファイナンス」は、そういう発想だったと思います。彼は素晴らしい起業家で大好きですが、VALUはちょっと早過ぎたようで、3月に停止しましたね。失敗例も参考に、よりよいサービス、プロダクトを創っていくのが大切だと思います。
 いずれにしても、エンタメビジネスの生態系はUPDATEが必要です。日本のDXの遅れは甚だしいので、先行する韓国事例からは刺激を受けるべきだとこのニュースを読んで、改めて思いました。

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