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[山口ゼミ講義レポート]偉大なる職人、成長を続ける同世代。水島康貴に学ぶこと。

 もう7年になる作曲家育成プログラム「山口ゼミ」。始めた時から決めていたことが一つあります。「過去の自分をなぞるような講義内容になったらやめる」ということです。「超実践的」な講座というのは、現役の音楽プロデューサーが主宰して、現役の作編曲家を講師に招くから言えることだと僕は思います。今現在「市場に接している」「バッターボックスに立っている」かどうかが現役感なのです。
 そして、自分が飽きたり、馴れたりしないために、新しい出逢いを求めることも大切です。山口ゼミの講座で1枠をこれまで僕がお話したことがない作編曲家をゲストに招くことにしているのは、自分への刺激という意味もあります。11月28日にいらしていただいた水島康貴さんは、「ミュージシャンズ・ハッカソン」でご一緒しましたが、お仕事としたこともなく、ゆっくりお話を伺うのは初めてでしたが、素晴らしいお話でした。


水島康貴:1965年生まれ 玉川大学作曲学科卒業
幼少よりバイオリン、ホルン、キーボードなど、常に楽器と過す。
1986年 EastWest86 本戦にてベストキーボード賞を受賞。
バンド活動を経て1990年アレンジャーとしてデビュー! アレンジを佐藤準氏に師事。
Ribbon、Wink、光GENJI、などアイドルグループからZoo、稲垣順一、ゴスペラーズ、SPEED、EXILE、などまたGUNDAM、トランスフォーマー、テニスの王子様などアニメやキャラクターソング、映画など様々な楽曲の作曲・アレンジ・プロデュースを担当。数々のミリオン楽曲に関わっている SPEEDに関してはデビューから解散まで全楽曲のアレンジを担当しシングル曲総売上1000万枚を記録。全アルバムミリオンを記録!
年末の格闘技のイベントPRIDE、DYNAMITEは始め、格闘家魔裟斗、格闘家吉田秀彦引退試合のオープニング曲、美空ひばり追悼コンサートアレンジ、早乙女太一舞台音楽など大きなイベントでの迫力、スケール感のある音楽を担当。活動の幅を広げている。 平成最もCDを売ったアレンジャー10位(オリコン調べ)
<主な制作一覧> • SPEED(デビューから解散まで全曲アレンジ) • EXILE 「SummerTimeLove」


 概要は、チューターの室屋がレポートを書いてくれているので、こちらをご覧ください。

 玉川学園で薬師丸ひろ子と同学年だったという話を聞いて、同じ年齢だと気付きました。玉川学園高の倍率が突然上がった年です。今の若者にとっては、広末涼子の早稲田受験の話すら遠い昔ですよね(笑)有名なアレンジャーのアシスタント(弟子)からキャリアをスタートしていることもあって、上の世代のミュージシャンのことも詳しく、僕にとっては懐かしいお話も沢山ありました。ただ不思議だったのは、昔話っぽく聞こえないこと。「昔は良かったよね感」が水島さんにないからなのでしょう。2020年に繋がる普通の出来事として聞けました。現役感ってこういうことなんだなと思いました。同時に、音楽業界では、クオリティの高い作品を作るためのノウハウがこうやって蓄積されてきているのだなと確認します。職人の匠に触れる機会を少しずつでも作っていくのが僕の役割なんだなと思います。それが日本のポピュラーミュージックを世界に誇るための一つの条件なのでしょう。

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 「2000年代生まれの世代と一緒に音楽を作ると新しい発想が聞けて楽しい」と語る水島さんの自然体と音楽への真摯さは、現役作編曲か含めて、多くの後輩達が学ぶべきだなと思いました。ありがとうございました。

 現在募集中の山口ゼミ1月期のゲストは、前迫潤哉君です。二世代下になりますね。実は彼は山口ゼミ受講経験者なので、受講時の感想など含めて、若い世代の視点で話を聞きたいなと楽しみにしています。


モチベーションあがります(^_-)