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大雪日和 -銀泉台で紅葉狩り-
日本で一番早く紅葉に会える場所の一つである大雪山の銀泉台。この景色に心を捕まれました。
『大雪日和』の第3編では、大雪山で出会った紅葉の景色を紹介します。
今回は『銀泉台で紅葉狩り』と題して、銀泉台登山口から赤岳にかけての紅葉です。年や時期によって、ずいぶん趣を異にする銀泉台の紅葉は、何度登ってもまた行きたくなります。
01 秋の気配
零時過ぎに銀泉台の駐車場に到着すると真上には天の川がかかっていました。撮影に夢中になり、早起きできず7時に登山開始です。ひんやりとした空気に夏の終わりを感じるものの沿道のフキの葉は青々とし、木々の葉で青空は覆い隠されています。
銀泉台の名所の斜面が一望できるところまで来て足下をみると、秋色に染まり始めた低木の葉と、まだ夏色の葉が同居していました。朝露に濡れた葉が朝陽に照らされ、お互いの色を主張するかのようです。
まもなく秋がやってきます。
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02 名所
銀泉台の紅葉の名所は、登山口から20分ほど登ったところにあります。年により紅葉する時期や色がまったくというほど異なります。ここでは名所の特徴的な3シーズンの紅葉を紹介します。
紅葉:2016年
人混みを避けるためにマイカー規制が終わった直後の銀泉台に向かいました。1ヶ月前まで青空を隠していた木々の葉は明るい黄色に染まっています。どこよりも早い秋を感じながら登っているとこの景色が現れました。
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ウラジロナナカマドの赤色にダケカンバの黄色の葉と白い幹、そして針葉樹の緑色に笹の黄緑。さまざま木々が織りなす世界に心を捕まれました。
黄葉:2017年
2017年も前年と同じ時期に行きましたがご覧のように黄色基調の紅葉、”黄葉”でした。登っている最中にすれ違った方の話では、今シーズンの銀泉台の紅葉は100年に1度のきれいさだったとのことでした。
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2016年シーズンは、10年に1度と聞いていましたので、よほどきれいだったのでしょうね。ただピークが過ぎているとはいえダケカンバが主役の黄葉もみごとです。
積雪:2019年
前日(9月20日)まで積雪のため閉鎖されていた銀泉台線。開通するかわからないなか、天気予報を信じてバス乗り場があるパークサイドの駐車場で一夜を過ごします。
砂利道を通る車の音で目覚め、窓をこすると青空の下、大勢の人がバスを待っていました。チケット売り場に行くと銀泉台の積雪が15cmあり、運行するか調査中でした。
運行が決まったときには、心待ちにする人で長蛇の列になっており、満員の乗客を乗せたバスで出発しました。車中から見えるこの時期の雪景色に高揚しつつも、雪の重みで散ってしまった紅葉を思うと複雑な気持ちでした。
登山道の雪は溶けはじめており、アイゼンは不要でした。”名所”では、ダケカンバの黄色の葉はほとんど残っていませんでしたが、紅く染まったナナカマドは雪の重さに耐えていました。
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03 紅葉の中
名所からの景色は黄葉でしたが、第一花園の沿道のウラジロナナカマドは紅葉真っ盛りでした。光沢のある色づいた葉が降り注ぐ陽光をはね返し輝いています。その先のダテカンバや草紅葉が織りなす景色にただただ見とれてしまいます。
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紅葉を愛でながら登っているとエゾナキウサギの声が響きます。紅葉の斜面を縦に分断する巨岩群の岩の上で佇んでいました。
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04 山の上
2018年の名所の紅葉は、2016年に似た雰囲気でしたが、この年は赤岳の頂上直下まで紅葉を楽しめました。
駒草平のウラシマツツジやヒメクロマメノキなどの紅葉を楽しみながら進んだ先の開けた場所には、薄雲から注ぐ陽光に照らされた紅葉の斜面が広がっていました。
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目の前のウラジロナナカマドの葉は、実と同系色に色づいています。同じウラジロナナカマドですが、それぞれ異なる色に紅葉しています。
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7月末まで雪渓が残る斜面の紅葉は終盤ですが、少しだけ残るウラジロナナカマドは見頃を迎えていました。
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≪編集後記≫
2016年が10年に1度、2017年が100年に1度の言葉を信じているわけではありませんが、2019年以降に2016年を超える紅葉の景色に出会っていません。
毎週登っているわけではないので、登ったタイミングが紅葉のピークを外しているだけかもしれないですが、『紅葉の中』で紹介したような小さなピークはあちこちにあり、その時にしか会えないものを見つけながら登るのは楽しいものです。
それに銀泉台だけではなく、緑岳や沼巡りコースの紅葉も最高です。限られた期間に限られた休日でどこに行くか決めるのは毎年の悩みでもあります。
とはいえ、1000年に1度の紅葉に会えることを期待して、また登りたいと思っています。
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