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指輪物語:中つ国の伝承 リミテ下馬評(環境予想)

はじめに

こんにちは!
いつもポジティブ、山辺カフカです!

YouTubeでリミテッド専門の配信をしている女子大生VTuberです💕
配信は7月引退予定ですが、よろしくお願いいたします。

自己紹介はさておき、
筆者は毎度新セットのリリース前に環境予想の下馬評記事を、
リリース後にはその反省会記事を、
それぞれ執筆しております。

新セット:指輪物語:中つ国の伝承(以下、LTR)の実装直前になってしまいましたが、下馬評やってみたいと思います。

ちなみに…機械兵団の進軍(以下、MOM)は反省記事を執筆することなく期間を終えてしまいました。すみません…
とはいえ、プレイヤーとしてはファイレクシア:完全なる統一(以下、ONE)・MOMと2環境連続でアリーナオープンを完走・インマネできているので、予想は環境理解に役立っていたはず!
(イニストラード・リマスターの記憶は闇に葬りました)


環境予想

本セットの固有メカニズムや各色のアーキタイプ、および環境理解については、わが師匠、てんてい。さんがすでに下記動画に纏められているので、是非ご視聴ください。

また、毎セット環境考察記事を上げられているぞんびさんも早速執筆されていたので、是非ご覧ください。
リミテッドで各色に振り分けられたアーキタイプ(運営想定)についても記事内で言及されています。

その上で、下馬評というからには私なりの予想を17landsで見られるデータの形で行いたいです。


環境のスピード

17landsの「Play/Draw Advantage」というデータの予想をします。
このデータは先攻・後攻の勝率差と、その環境で試合が終わるまでの平均ターン数を示すものです。

ちなみに、現在のスタンダードのエキスパンションの最新データは以下の通りです。
銀シンボルがプレミアドラフト、赤シンボルがシールドのデータです。

いつ見てもグロいONE環境

筆者としては、LTRのプレミアドラフト環境を、ONEには及ばないものの短い平均ターン数(約8.7ターン)となる、速い環境と予想します。

そして、先手vs後手の勝率については、先手有利な環境(先手勝率52.5%程度)と予想しています。

上記考察の根拠は以下の通りです。

①指輪の存在

今回の目玉のメカニズムである「指輪があなたを誘惑する」は非常に先手有利なメカニズムです。

メカニズムの説明はここでは割愛しますが、指輪所持者が得る恩恵はすべて攻撃する側にのみ与えられるものであり、ブロック側への恩恵は全くありません。
攻撃側のみへの恩恵という点では兄弟戦争(以下、BRO)の蘇生にも通ずるところがありますが、この恩恵が除去されない限り毎ターン継続する点で、指輪の環境への影響はより大きいと想定しております。

そして、指輪の恩恵の中でも最初に得られる恩恵である「自身よりも大きなパワーを持つクリーチャーにはブロックされない」が非常に厄介です。
ブロック側がいかに工夫してブロッカーを並べようと、攻撃側がそれを透かして攻撃に回りやすいメカニズムであり、他の回避能力(飛行や威迫)と組み合わせることで継続的なクロックを安易に形成できる強力な恩恵であると想定しています。
特に、通常の環境ではクロックとしてさして脅威ではない1/1飛行や1/1威迫のような回避能力持ちが、指輪のステージが上がるごとに無視できなくなるのは明確に脅威です。

1/1飛行がいつも以上に止まりません

指輪の脅威/恩恵は2段階目と4段階目の達成によっても大きく変わってくると見込まれます。
早期に2段階目に達成することでルーティングで後続の誘惑カードを引き込むことができ、4段階目に達すれば毎ターン4点以上のクロックが期待できるようになります。

また、タフネス偏重(タフネス>パワー)のクリーチャーを指輪所持者にすることで、1:1ブロックでは通常相討ちされなくなるのも特筆すべき点です。
ブロック側は低パワーのブロッカー2体を準備しなければそもそもブロックできず、準備できた場合も一般的に不利に働きやすいダブルブロックを強要されることになります。
オーク動員がパワー=タフネス生物のため、環境でタフネス偏重生物がどこまで存在感を表すかは不透明ですが、以下のアンコモン生物は明確に強力と想定しております。

指輪三段階目で殺人マシーンと化す主人公と、実質4/4アンブロみたいな馬


②レアのカードパワーが相対的に低い

直近のセットであるMOMやONEと比較すると、この環境のレア・神話レアのカードパワーは比較的抑えられているように感じます。
これは言い換えると、コモン・アンコモンのカードパワーが相対的に高くなっており、再現性良く強いデッキを組める環境と言えそうです。
印象としては、イニストラード:真夜中の狩り(以下、MID)やフォーゴトン・レルム探訪(以下、AFR)に近いものを感じます。

ボムレアの濃度だけで環境速度を定義するのは難しいですが、少なくとも一つのアーキタイプの存続には影響するのではないかと思います。
それは、MOMで成立したようなボムレアの着地を到達点とするような緑ベースのランプデッキです。
MOMでもランプデッキはTier1アーキタイプではありませんでしたが、Tier1である青黒コントロール・青白アグロに参入できない場合のサブプランとして十分に検討の余地のあるアーキタイプとなっていました。
MOM環境の背景にはボムレアの濃度だけではなく、多元宇宙の伝説枠によりレアの輩出数自体が多いという特異性や《荒廃した芽ぐみ》という優秀なマナサポートの存在もあったものの、今回のLTR環境では対照的にこのようなボムレア依存型のアーキタイプを組みにくくなると想定しております。
このようなアーキタイプが成立しにくくなると、環境は短期決戦型=アグロ優位となりやすくなります。

また、上に記したMIDとAFRの環境のもう一つの共通点として、ある色の組み合わせが顕著に強くなってしまったことが挙げられます。
MIDであれば青黒、AFRであれば赤黒が、環境の他のアーキタイプに対して大きく水を空けて強力でした。
これには、レアに頼らずともコモン・アンコモンのみで十分強力なデッキを組めることが背景にありました。
今回の環境でそこまで一強となるアーキタイプが生まれるかは未知数ですが、副次効果としての可能性に筆者は言及しておきたいと思っております。


③マナサポートが貧弱

このポイントについてはONE環境で筆者が述べたポイントとほぼ同じです。

本環境もONE環境よろしく、コモンの多色土地は《ホビット庄の段々畑》しか存在しません。
この新しい土地はアンタップインする代わりに、色サポートとしての性能は《広漠なる変幻地》よりも下がっています。

フェッチしたターンは実質2マナ損なのが多色デッキには痛い

アーティファクトまで目を向けても、《ホビット庄のかかし》《受け継いだ封筒》《魔法使の打ち上げ花火》程度であり、いずれもカードパワーはあまり高く見えません。

かかしになった労働機くん(下位互換)

一応緑ベースの場合は《数々の別れ》《ウォーゼの先導者》といったプレイアブルに見える色サポートが存在するのですが、過度な多色化を推し進めるというよりはタッチ運用がしやすくなる程度でしょうか。

可能性は感じる…!感じるけど…

Tipsとして《城塞の大広間》の可能性についても一応触れておきます。
この環境で2色ベースでない過度な多色デッキを組むとしたらキーカードとなるであろう特殊土地です。
この土地の効果により、基本土地のマナベースを無視して強力な2色以上の伝説クリーチャーを積み込むタイプのデッキは、一時的に試されると思われます。

今回のおもちゃ

ただし、筆者としてはこの大広間型は環境のTier1級のデッキと対峙できるほどのアーキタイプにはならないと予想しております。
これは、《城塞の大広間》の枚数に強く依存してしまうアーキタイプであることと、単体のカードパワーよりもシナジーが重視される環境になると見込んでいるためです。
前者については想像に難くないでしょうが、後者については次の要素④で触れます。


④アーキタイプ間の横断的シナジーが少ない

最近のエキスパンションのリミテッド環境は、各2色の組み合わせ毎に運営がデザインした計10種のアーキタイプが割り当てられています。
そして一般的に2色マルチカラーのアンコモンは、そのアーキタイプのロード的な立ち位置となるようデザインされています。

しかしながら、10種のアーキタイプが完全に独立しているかというと、そのようなことはありません。
例えば、MOM環境では培養器トークン変身・ファイレクシアン・+1/+1カウンター・アーティファクトとも関連することで、環境の中心的なメカニズムとして強い横断的シナジーを形成していたことは記憶に新しいです。
その前のONE環境の例でも、ダニ・トークン毒性・堕落・アーティファクトと関連する中心的メカニズムでした。

シナジーのかたまり

しかしながら、この環境はそれらに相当する横断的シナジーが形成されそうにありません
指輪・オーク動員・食物・占術といった本環境のメカニズムは個々で独立しており、互いに交わる部分が極めて少なくなっています。
白青の目指すセカンドドローが指輪のルーティングと噛み合ったり、黒赤の目指すサクリファイスのカウントや餌を食物でも提供できる、といった控えめのシナジーこそありますが、基本的には2色毎のアーキタイプに特化したデッキを構築した方が強くなる環境と見込まれます。

このような背景から要素②・③以上に3色目をタッチすることが推奨されにくくなっており、結果的にLTR環境は高速・先手有利・2色推奨(タッチカラー非推奨)となると予想しております。

環境予想に影響が出るほどではありませんが、各アーキタイプの梯子になるカードが一応存在することにも触れます。
《レンバス》はそれ自体が食物でありながら、占術・セカンドドロー・サクリファイスともシナジーする小気味良いカードです。
そもそも無色2マナで占術1+1ドローがそこまで弱くないため、隙あらば高めの順目でピックしてもよいカードになるかもしれません。

これで勝つことはないけど要所要所を締めてくれそう


Tips: ONE環境との比較

ここまで記事を書いていて、ほとんどの項目が筆者のONE環境の事前予想と共通していると感じました。
何なら、要素④に関してはONE環境以上に高速環境を予想しても良い要素だと思っております。

しかしながら、今のところ環境速度をONE環境より控えめと予想しているのには一応理由があります。
それは、下記ONE環境理解記事に記載した要素まではLTRは持ち合わせていないと考えているためです。

まず、LTRのアンコモン以下の1マナクリーチャーは計4枚であり、いずれも自身の能力でパワー1以上の役割にはなりません。
また、アンコモン以下・2マナ以下のマナ加速カードも先述の《ウォーゼの先導者》1枚のみです。

それでも期待してる1マナクロック達。特に、亡者は超期待。

そして《危険な爆風》に似たカードは存在しない訳ではないですが、ダニトークン一掃という追い風もあった爆風に比べると以下の2枚は少々力不足に見え、採用率・勝利貢献度ともにそこまで高くならないと見込んでおります。
結果的に、指輪の回避能力による膠着盤面の解決はできても、クロックはあくまで指輪所持者のみになりやすく、ONEのようなウルトラCの勝利は生まれにくいはずです。

この環境も爆風あれば輝くかもなあ…

以上を踏まえ、LTRは高速環境とはいえONEほどの超高速環境にはならない、と予想して本記事を締めたいです。


おわりに

正式な告知前ではありますが、皆さんによるCAMPFIRE等へのご支援のお陰で、7/9(日)の日中より第3回おだんご杯が開催予定です!
LTR環境のBO3シールドにて開催予定ですので、腕自慢の方々には奮ってご参加いただきたく、ご予定のほどよろしくお願いいたします。
別途正式なアナウンスがあり次第、こちらの記事も更新したいと思います。

また、私のDiscordサーバも開設したので、こちらにもお気軽にご入室ください!
リミテに関する質問や議論、中には指導してくれる方もいらっしゃいます!

それでは!また次回記事か配信でお会いしましょう!
バイバイ、さよなら、再見

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