![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118992066/rectangle_large_type_2_28f8266b184c0ca51ef168f82a80ba91.jpg?width=800)
鹿嶋で大人の社会科見学
小学校や中学校のころ、社会科の授業で習う日本の工業地帯。日本各地の工業地帯、工業地域の名前や場所、生産品などテストに向けて必死に覚えた記憶もあるのでは。
そんな記憶を呼び起こして。
鹿島臨海工業地帯、茨城県にあります。
鹿嶋市と神栖市またいだ一帯に広がる工場群。大規模な掘込式港湾の鹿島港を中心に、鉄鋼、石油化学、飼料、木材、発電所など約170社の企業が集まっています。空に高く伸びる無数の煙突、送電線が張り巡らされた鉄塔、風を受けて回る風車。この地域を代表する景色の一つではないかと思います。
その鹿島臨海工業地帯を海から望むことができる遊覧船。土日祝に1日1便運航しています。
遊覧船ユーリカ号
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119724948/picture_pc_c4fda8501cecc0b9e5cbd0c4e78cd8a5.jpg?width=800)
鹿島港を周遊する遊覧船「ユーリカ号」。1周約45分で海上から鹿島臨海工業地帯の工場群を見ることができます。
定期便は土日祝日のみの運航で、1日1便、13:30出航。定員は46人(座席36)、予約不要の先着順です。
行く
のりばは神栖市の港公園を目印に。港公園は鹿島港のY字の真ん中にあたる部分にあります。
港公園へは公共交通機関ではちょっと行きにくいのが難点。鹿嶋方面からなら深芝バス停が、神栖方面からならアトンパレスホテルバス停が最寄りでしょうか。いずれのバス停からも徒歩で45分くらいです。工場が立ち並ぶエリアを通るので、大型車の交通量が多めで、歩いている人はほとんどいません。鹿嶋市内、神栖市内いずれかからタクシーを利用するのが良いかもしれません。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/118992249/picture_pc_c01f10b1beaa448c5991167f4a23fff4.jpg?width=800)
展望塔(現在老朽化に伴う調査で閉鎖中)のある公園
港公園の正面向かって右に進む歩道を行った先に船が見えてきます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119723362/picture_pc_0934c21ffd2803836a4a5c6592e8a864.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119723501/picture_pc_c232ad99157252559f1bb760566abf98.jpg?width=800)
買う
乗船券は待合室の受付で購入します。おとな1人1,260円、こども(小学生以下)は630円です。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119725053/picture_pc_be1a59c13e520ae9b85a9aea10cc8dfe.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119727182/picture_pc_643078277c6d4342f769436862c381a1.png?width=800)
乗船券は12:30から販売開始で、定員になり次第、販売終了なので、余裕を持って行くのが良いかもしれません。
待合室には売店もあり、飲み物や軽食、アイスクリームなどを買うことができます。ただし、船内では水分補給のみで、飲食は禁止になっています。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/123344084/picture_pc_cd31b8cefe868577dcfb83c3095780d5.jpg?width=800)
待合室はゆったりとしたテーブルスペースになっているので、飲食はこちらで。お手洗いもあります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119727326/picture_pc_d461c9548f941deb456070d20fd6037b.jpg?width=800)
知る
鹿島港は港公園周辺からまっすぐに伸びる中央航路、南側に伸びる南航路、北側に伸びる北航路の3つの航路がY字のように広がっています。Y字の重なり合う位置にある中央船溜から南航路をぐるっと回り、中央航路へ進み、北航路を通ってまた中央船溜へ戻ってくるルートです。
待合室には航路案内図や工場案内図が示されています。また、乗船券と一緒にもらう周辺見どころマップも主要な工場の説明が書かれています。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119730416/picture_pc_c0c5aad587edeb5defc52eff2524d199.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119731019/picture_pc_9be7c0e3285208f37c6705e6f62611e7.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119837890/picture_pc_b9820fe935f5afb4adc48d45a0b6bef7.jpg?width=800)
事前に航路を把握しておくのが良いかもしれません。マップ(パンフレット)は乗船中も役に立ちました。
乗る
出航の5分くらい前になると、乗船の案内がされます。ユーリカ号は目の前に停まっています。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119838260/picture_pc_5294d08e0e825a9067ca42ed5d6017b3.jpg?width=800)
乗船券を渡して、船内へ。船内は2階になっていて、前方が後方よりも1段下がった形になっています。後方には立ち席のオープンデッキもあります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119838322/picture_pc_c2abc47a0f718c3d344ce502ab22459f.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/119838352/picture_pc_e359ef8fdd9c4e0fb060a843d7f26105.jpg?width=800)
出発です。
船はまっすぐ進み、中央航路が見えてきます。右手に広がるのが南航路(神栖側)、左手に見えるのが北航路(鹿嶋側)。パッと見でも建屋の形が違うのが分かります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120087407/picture_pc_4d8b0eda39a1b7d30d4f741e102b63e1.jpg?width=800)
船内では、「右に見えるのは…」といったガイドアナウンスが流れるので、見どころを見逃すということはないでしょう。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120525588/picture_pc_c242dd46a14fa6509e60564c39a00cd1.jpg?width=800)
港内ではさまざまな船を見ることができます。タイミングによっては世界各地からの積荷を運ぶ大型タンカーが入港、停留していることもあります。タンカーが接岸していなくても、大型タンカーが安全に離着岸できるようにサポートするタグボートや、船舶と岸にロープをかけるのをサポートする小型船などが働いていました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120531478/picture_pc_ce269edd0220837adc55f19d45300ca4.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120530979/picture_pc_ac905184d25cb1d26b61f11213e5a8a0.jpg?width=800)
電力、石油化学工場が集まる南航路に対し、北航路の中心は鉄鋼。鉄鉱石の山なども確認できます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120532031/picture_pc_6f6b3426e95565367614fb42186999ef.jpg?width=800)
偶然にも、その日の深夜に、日本製鉄鹿島製鉄所に大型タンカーが入港したばかりだったそうで、何十メートルにもなる2隻が停留していました。その大きさは遠くからでも分かるほど。
ちょうど入港したばかりの大型船にもすれ違いました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120532670/picture_pc_e411e3db8690599fe83207a8d28e88b6.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120532981/picture_pc_3ecd80cd894a54131e46528f625976e3.jpg?width=800)
北航路の穀物工場群を眺めながら、中央船溜に向かい、約45分の鹿島港見学はおしまいです。
こうして見ると、鹿嶋は鹿島アントラーズや鹿島神宮がある街だけでなく、農業、水産業、そして工業がある街なのだと改めて気付かされます。
この日は鹿嶋、神栖周辺に住んでいると思われるご家族が何組か乗っていました。ユーリカ号は近隣小学校の社会科見学でも利用されると聞きます。お出かけにも楽しく、まちを知る絶好の機会になることでしょう。
学ぶ
鹿島臨海工業地帯の学び直しには、神栖市歴史民俗資料館や鹿嶋市立中央図書館、鹿嶋市デジタル博物館がおすすめです。
神栖市歴史民俗資料館
鹿嶋市立中央図書館
鹿嶋デジタル博物館
参考までに。
鹿島港への入出港情報はこちらから調べられるようです。
鹿嶋臨海工業地帯は工場夜景も見どころ。夜景スポットと言われる場所も数多くあり、昼とは異なる幻想的な世界が広がります。
日本最大級の工業生産拠点の鹿島港。鹿嶋観光のおすすめの一つです。ぜひ、どうぞ。
(社会科見学とタイトルにつけておきながら、まとめ的なものがないのはご容赦ください。)