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福岡文化人類学〜第2回『カフェ発文化圏を味わう。その1』

「カフェを中心としたカルチャー圏〜」なんて言葉を当たり前に聞く様になったのはいつからだろうか。(多分今では仕事中の「おつかれさまですー」より...軽い!)
とは言え、どの街にもそれは確かに在っただろうし、とりわけ福岡ではとても濃く、しかも今も続いている。その現象を「おしゃれ」や「美味しい」にもの足りず何周もグルグルとコーヒー体験を続けた末に、ネジを回し続ける様に深堀りしてしまった僕なりの考察をまとめてみた。


【1. 呼ばれる前からサードウェーブ〜ハニーおやじ】

サードウェーブコーヒー(厳選したコーヒー豆から高品質で特徴的なコーヒーをつくる現象)が定着し始めていた時期、全国のコーヒー好き達の間では「福岡はコーヒータウン」と噂されていた。事実、福岡で飲むコーヒーは美味い。(東京に遊びに行って丸一日有名店をハシゴして以来確信している)
まずはそのコーヒー自体のレベルが高い理由について書いていきたい。

それを語るときに欠かせない存在が「ハニーおやじ」だ。

「ハニーおやじ」とは福岡のコーヒーショップ「ハニー珈琲」の店主、伊崎さん。彼はサードウェーブコーヒー現象の象徴であるコーヒー豆の個人輸入をそのずっと前から個人的に、しかもかなりハイレベルに行っていた。
(くわしくはこちらのマンガで!)

僕は移住した2010年に初めてハニー珈琲を訪れたのだが、10種類くらいの豆を自由に試飲しながら買えるスタイルにずいぶん驚かされたのを覚えている。(しかもどの豆も個性的だから、初めて試飲してみても味の違いが全部分かる...!!!)

そんなもんだから「ハニー珈琲の洗礼」という言葉&現象があったりするし、その流れからバリスタ世界2位になったREC COFFEEの岩瀬さんが生まれたし、伊崎さんの実のお子さんに至ってはバリスタ世界一なんて称号も手に入れているのだ。
なにより、福岡には自宅用にハニーの高品質な豆を買い、淹れる人が数え切れないほど居る。

こんな風に強い「なぜ」の芯が存在していると、そこを中心に現象(ここで言うコーヒーカルチャー)はグルグルと回り、螺旋のように登っていく様に思えてくる。だからリアルなカルチャーは成長し続けるのだろう。

最後に身も蓋もないのだが、こうやって小難しく考えながらコーヒーを飲む必要は無いと僕は思っている。まずは「福岡に行ったらコーヒーを飲もう」くらいの気持ちで多くの人に楽しんでほしい。そしてもし興味が湧いたらドンドン深掘ってみてはいかがだろうか。

このコラムは「企画でメシを食っていく」4期生の合同コラム企画「コラム街」の1つとして書かれています。他のみんなのリンクはこちら。↓
https://note.mu/bookandmusic/n/n918043f2d2f2

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