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クリエイティブの翼

絵本『ちいさいおうち』の著者として知られるヴァージニア・リー・バートンは、テキスタイルデザイナーでもあって、ボストン郊外の小さな村、フォリーコーブを拠点に、ハンドクラフトのデザインチーム〈フォリーコーブ・デザイナーズ〉を立ち上げ、創作活動を展開しました。

僕にそのことを教えてくれたのは、小林萌さん。この街に涼やかな風が似合う季節がやってくると〈栞日〉で新作コレクション展を開催してくれる、扇子ブランド〈vent de moe / ヴァン・ドゥ・モエ〉のデザイナーです。

バートンの精神と活動に感銘を受けた萌さんは、ここ松本でもクリエイティブユニットを立ち上げ、スクールを開講したいと考え、その想いを僕に伝えてくれました。

チーム名は、フランス語で「姉妹」を意味する〈soeur / スール〉。メンバーは、萌さんに加え、フォトグラファーの清水美由紀さんと、服飾ブランド〈PUR / ピュール〉ディレクターの八木下泉さん。美由紀さんは〈栞日〉オープン以来の常連さんで、ライターとしても動いているので、これまでに何度か取材も受けていて、特に昨春以降は、拠点を東京から故郷・松本に移していたので、企画や仕事で何かと接点が増えています。泉さんは、同じこの街でご主人の俊さんと古着屋〈Petrichor / ペトリコール〉を営んでいて、冬のスタンプラリー「Matsumoto Winter Walker」はじめ、いくつかの企画でご一緒していて、おととしの秋に〈栞日〉で美由紀さんの写真展を開いたときも、ディスプレイのサポートで関わってくれていました。

と、こんな「三姉妹」から「『スールのスクール』を開講したい。その会場に〈栞日分室〉を使わせてほしい」とお願いされたら、僕に断る理由はひとかけらもありません。昨年の暮れから始まったスクールは、遠方からオンラインによる参加も交えつつ、毎月回数を重ね、一期生のカリキュラムは残すところ1回。あす、受講生の制作発表も兼ねた〈soeur〉の展示が〈栞日分室〉で始まります。

僕は、当時バートンが実践して後世につないだ功績も、その意志を受けとってこの時代に〈soeur〉が試みる実践も、等しく偉大な創造性としてリスペクトします。そして、そのチャレンジに伴走できることを、心から光栄に思います。

「姉妹」たちは、いつもの野山や家庭での「遊び」からインスピレーションを受け、クリエイティブの翼を広げ、世界を自由に駆け巡ります。眼前に用意されたまっさらなキャンバスに、これから伸びやかに描かれるであろう色とりどりの風景を、どうぞ、ご期待ください。

EXHIBITION|soeur 2021 初夏

▼ 会期|4.29[木]- 5.30[日]
▼ 会場|栞日分室
[松本市大手5-4-24 List 2F]

※ 開場時間は 1F〈山山食堂〉の営業に準じます。
→ OPEN 7:00-16:00
→ 月曜定休[火曜臨時休業あり]
→ 5.3[月祝]5.4[火祝]通常営業

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