見出し画像

未来が歓迎する地域を耕す。

ステートメント

この島国には古来、森羅万象のひとつとして人間を捉え、八百万の神を敬う自然(じねん)の心が宿ってきました。東日本大震災と原発事故、そして此度のコロナ禍を経て、私たちはいよいよ、身近な自然との関係を結びなおすときを迎えています。そして、身体感覚を伴うスケールの、それぞれの地域社会のなかで、食もエネルギーも自立した、親密な経済を循環させる実践が、この気候危機・人口減の時代にこそ、求められています。

近世の城下の礎を受け継ぎ、周囲に豊かな里山を擁する松本盆地には、いのちと経済が巡る生態系の範をひとつ、次世紀の列島と世界に示す潜在力があります。その希望の土壌を耕し、将来世代が歓迎する地域を育む営みは、次代にそぐわない価値観を揉みほぐし、かつての尺度で設計された制度や枠組みを柔らかく編みなおすことから始まります。松本から投じる、地域と地域の対話という一石が、波紋を呼び、うねりとなって、この国と世界の歩む道を、然るべき向きに定めることを願っています。

子どもたちと、これから生まれる子どもたちが、一人ひとり心豊かに、すこやかに生きる未来のために、いま、うららかに、たおやかに、挑みます。

基本政策

岳都|山とひとを、結びなおす。

里山資源を活かして導く、食とエネルギーの地産地消、親密な経済の地域内循環。

▼ 自然と人間の営みが調和する里山において、農業と林業の取り組みを支えます。多様な暮らしと生業のあり方を受け容れる、里山の環境を保ちます。

▼ 太陽と水と森の恵みから、ひとが暮らしに使う電気や熱源を受け取り、地域のなかで循環させます。

▼ ひとつの経済生態系として松本盆地を捉えます。近隣市町村との緩やかな連帯を育み、広域として、食とエネルギーの地産地消を進め、経済も域内で循環させます。

◎ 重点課題|農林業/食/環境エネルギー/地域経済

◎ 政策実現に活かす委員経験|
▽ 松本まちなかグリーンインフラアクションプラン検討会議[2022年]
▽ 松本市森林再生市民会議運営委員会[2022年]

楽都|暮らしのなかで、文化を育む。

歴史と建築を活かして深める、生活と共にある芸術文化、日常の風景を訪ねる観光。

▼ 多様な時代の建築が共存する松本の景観を、地域の重要な個性と捉え、適切に保存・活用します。城下を心地よく回遊できる、歩行者と自転車にやさしい交通を整えます。

▼ 松本に暮らし、活動する芸術家や表現者が、活躍する場を開きます。市民芸術館、市美術館、市立博物館などの文化施設の連携を促し、芸術と日常が接する場面を広げます。

▼ 市民が芸術文化を生活の一部として親しみ、共に育む地域の風景が、域外からの来訪者を惹きつけ、移住や起業にも至るような、これからの観光とひとの交流を進めます。

◎ 重点課題|芸術文化/観光/自転車/移住定住

◎ 政策実現に活かす委員経験|
▽ 松本市景観賞選考委員会[2018-2019年]
▽ 松本市基本構想2030市民会議[2020年]
▽ 松本「シンカ」推進会議[2021-2022年]

学都|認めあい、学びあい、支えあう。

図書館や公民館を活かして結ぶ、自律・分散・協調型の、学びと自治のネットワーク。

▼ 地域づくりセンターを起点に、学校・図書館・公民館など、教育福祉に携わる地区内の公共施設を有機的につなぎます。その学びあい・支えあいのネットワークに地域の子どももおとなも容易に接続できる、多様な入口を設計します。

▼ 生活圏として自律した、それぞれ特色のある地区が、広い市域に分散し、協調して補いあう、学びあいと自治のネットワークを、市全域に展開します。そのために、市役所と中央図書館の機能を、主要駅前や郊外にも適切に振り分け、公共交通網を整えます。

◎ 重点課題|教育福祉/防災/住民自治/公共交通

◎ 政策実現に活かす委員経験|
▽ 松本市中央図書館あり方検討委員会[令和2年度]

Photo|Tamiko UCHIDA


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?