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ふつうの日記 2021.08.22『推しの性格と実在の香り』

・羞恥

 『推し香水』というものに興味がある。

 推しのプロフィールや特徴などをフォームに書き込むと、プロのスタイリストさんが既存の香水からイメージに合うものを選んで送ってくれる、というサービスだ。推しは実在の人物でも二次元キャラでも構わないという懐の広さ。私も一介のオタクとして、非常に興味がある。
 推しとつくものには何でも飛びつきたくなるのがオタクの性だ。しかも香水。実在の香水。そんなものを手に入れたら、なんだか二次元の推しまで実在するのだと感じられそうな気がする。しかもそれを自分で選ぶのではなく、私の推しをおそらく知らないであろう第三者に、客観的な視点でもって選んでもらえるのだ。自分でフォームを書き込むとしても、自分の妄想からはちゃんと離れた本物の推しが感じられそうな気がする。欲しい。推し香水。
 私はフォームに情報を書き込むべく、スマホのメモ帳に下書きを始めた。フォームに文字制限はなく、なるべく詳細に書いたほうがいい。名前、性別、年齢、容姿を書き、性格の項目に進んだところで、ぴたっと手が止まってしまった。
 は、はずかしい!
 推しの性格について書くの、ものすごくはずかしい!見ず知らずのお兄さんお姉さんに推しの性格をつらつらと伝えるの、はずかしい!
 もちろんはずかしく思う必要は全くもってないはずなのだが、私は赤面したまま大慌てでスマホを置いてしまった。友達が少なく、推しについて語るという経験に乏しいせいかもしれない。はずかしい。でも香水は欲しい。私は水を一杯飲んで精神を落ち着け、再びメモ帳を起動した。
 は、はずかしい!
 書きかけの自分の文章が見えるの、はずかしい!もう二度とこのメモを開きたくない!でも香水はほしい……。
 この葛藤を2、3回繰り返して、私はようやく腹をくくった。書こう。書くしかない。自分の意志薄弱には何度も後悔させられてきたのだ。はずかしさに向き合おう。そして大声で宣言しよう。私は推しを推していると……。
 そしてフォームは埋まった。恐る恐る注文ボタンを押し、注文する。今は注文多数により、発送は30~35日後になるらしい。私のようなオタクが大勢いるのだ。そして1ヶ月と少しが経てば、私の手元には推しのイメージ香水が……ドキドキしすぎてなんだか体調がおかしくなってきた。
 1ヶ月後、たぶん私は頭がおかしくなってしまうと思う。乞うご期待。


・眠気

 なんだか今日は眠かった。眠気に体がぷるんと包まれている感じ。あ、今なんかデジャヴが起こった。前にもこんなこと書いてたらすみません。おやすみなさい。


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