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ふつうの日記 2021.09.08『神の一手』

・質問

「普段家で何してんの?」
 多くのインドア派が困るであろう、この質問をよくされる。今日もされた。例に漏れず私も困った。たまたま道で再会しただけの人に、どうしてこんなに困らされなくてはならないのか(逆ギレ)。
 家で何もしていないわけではない。ゲームをしたりアニメを見たり本を読んだりネットを見たり文章を書いたりおやつを食べたり昼寝をしたり、引きこもりながらも毎日そこそこ充実している。しかし何というか、「何してんの?」の答えにできるほど「何か」をしているわけではない、そんな気がしてしまうのだ。その結果、私はいつもこう答える。今日もこう答えた。
「ぼんやり……してるかな……」
 こう言うと大抵の人は「何それー!」と笑ってくれる。今日の人も笑ってくれた。そして不思議と、それ以上突っ込んでは聞かないでくれる。あまりにも掴み所のない返答をされると、突っ込む気も失せてしまうのかもしれない。
 この返答の強さを改めて確認し、私は今日からこれを「神の一手」と呼ぶことにした。なるべく感情を込めず、なーんにも考えてない人の顔をして答えるのがコツだ。とにかく相手に「このような塵芥、斬る価値もないわ」と思わせることが重要なのである。これが「神の一手」。私はこれを頻発することであらゆる苦境を凌いできた。
「普段家で何してんの?」それは悪魔の質問。世界を闇に呑み込む禁断の質問。もしもあなたがこの魔力に苦しめられたら、ぜひ「神の一手」を試してください。


・はがき

 はがきを出し忘れたことに今気づいた。次の外出のときには出さなければ。そんなことを思っていると大抵2週間くらい先になってしまう。果たして。


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