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コロナ対策を施しても五輪やフェスは「中止しろ」 大戦中を彷彿とさせる自粛ムード

 このゴールデンウイーク中に千葉県で開催された音楽フェスティバルにテレビ朝日が嚙みついた。

 「我慢のGW」と銘打ってフェスを批判的に報じている。このフェスには1万人が参加したが、究極の換気環境ともいえる屋外で実施されたもので、さらに声出しやハイタッチは禁止、観客同士では1メートルほどの間隔がとられていたという。行政もその感染対策を確認した上での開催だ。

何のための自粛か

 これほどの感染対策がとられていれば、観客の間で新型コロナウイルスが大きく広まるとは考えにくい。しかし、この報道では、一部の観客がルールを守っていないことも問題視している。

 確かに、多くの人が感染対策を徹底していも、一部の人がウイルスを広めるような行動をとれば感染対策の有効性が下がってしまうように思える。だが屋外で間隔もとっているならば、少なくともそういったルール無視の人々の仲間内でしかウイルスは拡大しないのではないだろうか。こういった人々は仮にフェスが無くとも身内でウイルスを広めるだろう。ならば、仮にこういった人々の存在を理由にフェスを中止したとしても変わりは無いだろうし、ただ大半の人の楽しみを奪っただけだ。

冷静な報道が必要

 冷静な分析をせず、ただ闇雲にイベントを批判する動きは、恐らく政治的意図に基づくものだ。その先にあるのはやはり五輪ではないか。五輪出場が内定した選手の報道があるたびに、SNSでは「五輪は諦めろ」といった、なぜか選手に対し心無い言葉をかける人が現れる。特に自民党を敵視する層にとって、五輪はコロナ前から全否定される対象であり、そして今はまさに五輪を叩き潰す絶好の機会である。当然、五輪開催機運を高めるような経済再開の動きにも神経質になっているだろう。

 これまでの興行の実績を無視して五輪を批判し、「ぜいたくは敵だ」と言わんばかりにむやみに自粛ムードの醸成にマスメディアが務めている様子は、まるで戦時中だ。コロナという強大な敵に一致団結して立ち向かわなければならないのは事実だが、そこに科学的で冷静な分析が無ければ、ただ闇雲に自粛を求めていくばかりで、そこに歯止めはかからなくなる。「ウィズコロナ」で経済再開の機運も見られる中、健康と経済をどちらも最大まで追求できるような努力が必要な時代になっているのではないだろうか。

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