ワクチンの接種が完了した49万人のうちコロナ感染者が1人見つかる……しかも無症状

 4月12日、石川県でファイザー製のワクチンの2回目の接種が完了した人が新型コロナウイルスに感染したと報じられた。50代の医療関係者の女性で、3月13日に1回目の接種を受け、ちょうど3週間後の4月3日に2回目の接種を受けた。別の人がコロナ感染が確認されその濃厚接触者として検査を受けたところ、4月10日に陽性が出たという。女性は無症状。

49万人が接種完了

 厚生労働省のウェブページによると、これまでにワクチンの接種を1回以上受けた人は110万人にのぼり、そのうち2回目も完了したのは49万人。女性が接種を完了させた4月3日はおよそ20万人が2回目を完了させていたと思われる。

 これまで2回目の接種を完了させた49万人のうち、コロナ感染が確認されたのはこの女性が初。

 厚生労働省のオープンデータによると、PCR検査は1日あたり5万人くらい受けているので、49万人のうち複数の人がこれまで検査を受けて陰性となっていただろう。この女性は実際は感染していない偽陽性だった可能性も一応あるほか、無症状であったことからワクチンの発症予防効果が適切に表れていたようにも思える。

不安を煽る偏向報道か

 上の朝日新聞の記事の見出しのように、無症状である事は報道では強調されなかった。ワクチンは当初より発症予防効果が示されており、これを裏付けるようなことであったにもかかわらずだ。読売新聞も同様である。ワクチンは無力であると言わんばかりの見出しだが、Twitterでは「偏向報道」との声もみられる。

 新聞社はワクチン接種の遅れを指摘しつつ、このようにワクチン接種への意欲を削ぐような報道も続けている。しかし、日本は感染者数が少なくワクチン接種の必要性が薄いことや、子宮頸がんワクチンでは反ワクチン報道を過熱させ日本のワクチン事業を鈍くさせたことなど、日本特有の事情は無視している。マスメディアが日本国民に与える悪影響は、新型コロナウイルスと比較できるほど大きいのではないだろうか。

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