東京の感染者 8月第1週に3千人前後に到達か その後は緊急事態宣言効果で減少?

 20日、政府のコロナ分科会の尾身会長が、東京都の新規感染者数について「2週間後には(新規感染者数が)2倍になって、第3波のピークを超えていく可能性が出てきた」と話した。つまり東京都では8月第1週に1日あたり3千人に近い感染者が出る可能性があるという。

 実はこの数字は、現在の状況から容易に導き出せる。現在の感染拡大傾向(第5波)が始まって以降、1日あたりの新規感染者数は、前の週の1.3倍前後に増えている。これが続く場合、8月の第1週には3千人を超える計算になる。

 そこで筆者も、東京都の感染者数の増減を予測した。

画像1

この予測では、これまで緊急事態宣言が出されて2週間以内に感染者数が減少する傾向に転じている事も考慮している。前週比のピーク到達後、約1か月かけて前週比が第4波と第5波の間の最も落ち着いていた頃のレベルにまで低下すると仮定して計算している。

 確かに感染者数は8月第1週に3500人近い数字に到達するという結果が出た。しかし、緊急事態宣言の効果が表れると思われるため、これ以降は感染者数は減少に転じる可能性がある。

 また、現在はワクチンの効果も期待される。死者数と重症者数が増えなければ、基本的には自宅療養などで対応できる。医療体制も強化されているはずなので、3000人に到達することで医療崩壊が起こるとは考えにくい(問題が起これば都政の怠慢ではないかとの誹りを受ける事になるだろう)。また、夏の気候によって感染拡大が抑えられる可能性もある。

 「8割おじさん」と呼ばれていたこともある西浦教授も、「8月上旬には1日3000人を超える」という予測結果を公表した。ただし、このシミュレーションでは8月21日には感染者数は5235人に上るという。

 現在は東京オリンピックも開催されるなど、感染対策と経済活動を両立させる「ウィズコロナ」の傾向が強まっている。経済活動も大事だが基本的な感染対策は忘れてはならず、対策を怠れば緊急事態宣言の効果が失われ、広範囲な休業命令を出さざるを得なくなる。3密を回避するなどの基本的な対策は、たとえ変異ウイルスであっても変わらない。

(7/31追記)
 今週、感染者が3000人を超えた。これは先週22・23日が祝日で、その検査数が日曜日レベルにまで減った事で、今週に連休期間分の検査が押し寄せた事が要因だと思われる。ただし、そういった事を踏まえても、筆者の予測より1.1倍ほど高い数字となっている。この調子が続けば、8月上旬には1日4000人を超える日が何日か出てくる可能性がある。ただし、マスメディアが言っているような「来週には1日5000人」という事にはならないと予想する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?