日刊ゲンダイがデマ記事をひっそり削除 IOCバッハ会長の宿泊費「ぼったくり」「抗議増殖」記事で

 日刊ゲンダイDIGITALが7月13日に配信した「IOCバッハ会長は1泊300万円のVIPルームに滞在 “ぼったくり”ぶりに「ビジホで充分」と抗議増殖!」との記事がTwitterで拡散され、「抗議増殖」がトレンドワードに上がったりしたが、当該記事がひっそり削除された。

 問題の記事は7月13日に公開された。記事では以下のように記載されている。

新型コロナウィルスの感染拡大で市民が不自由な生活を強いられるなか、バッハ会長は都心にある超高級ホテルのVIPルームに滞在している。宿泊費は1泊300万円といわれるが、IOCが支払う上限は400ドル(約4万4000円)と定められているため、差額は組織委、つまり税金で負担するという。こうした“ぼったくり”ぶりに、ネット上には<ビジネスホテルにでも泊っていろ>といった怒りの声がやまない。

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公開時の記事本文(現在は削除されています)

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削除後の現在の記事ページ

宿泊費はIOCが全額負担

 この記事については、そもそも誤りがあるとして批判する意見もあった。宿泊費はIOCが全額負担する事になっているためだ。朝日新聞の記事を抜粋する。

組織委は2017年10月、大会経費の肥大化への批判を受け、25項目の経費削減案をIOCに提示。その一つとして、IOC幹部らの宿泊料を全額負担するようIOCに持ちかけた。
当時はIOCが猛反発し、「不平等条約を結んだみたいだ」と語る組織委幹部もいた。しかし交渉を継続し、今年に入ってIOCが譲歩したという。

 確かに当初は組織委が負担する事になっていたが、今年に入ってIOCが全額負担する事になり、その事はしっかり報じられている。

1泊300万とはどこの情報か

 また、上記の朝日新聞の記事で、組織委は「1泊300万円などの部屋を使うことは、そもそもない」とも言っているという。1泊300万とはどこの情報なのだろうか。

 「IOC幹部が1泊300万円の部屋に宿泊する」という趣旨のNEWSポストセブンの記事があった。しかし文をよく読むと、「IOC関係者宿泊用に貸し切るホテルの中に1泊300万円の部屋が存在するホテルがある」という内容だった。

 このように、バッハ会長が1泊300万円の部屋に泊まるという情報は見つけることはできなかった。

 報道機関として日刊ゲンダイが誤った情報や不正確な情報を拡散した罪は当然に重く、IOCや組織委に損害をもたらすことも考えられる。この記事は13日13時半時点では削除されていた。公開したその日のうちに削除した事になる。Yahoo!ニュースでも削除されていた。また、13時半時点で日刊ゲンダイのTwitterおよびウェブサイトのトップページに謝罪文などは確認できない。

 国民をデマや不確定情報で煽った責任を、日刊ゲンダイはどう取るのだろうか。

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