Go!プリンセスプリキュアが教えてくれた事。
「GOプリはOPが良いんですよ」
大阪は西淀川区にあるお菓子屋「菓子工房シュクルリ」の店長はそう言ってGOプリを勧めてくれた。
2023年に行われたプリキュア展を堪能した私は新たなプリキュアに飢えていた。
ひろプリが放送中という事もあり、後追いながら視聴はしていた。
だが社畜という性質は時間と曜日の感覚を失いがちになり、後追いすら後手に回っていた。
そういう経緯もあり、dアニメの中から新たなプリキュアを早く観たい欲が高まってしまったのだ。
※dアニメはほぼ全てのプリキュアシリーズが観れるのである。
そして先述した通り「待つ」という苦行耐えられずにいた矢先に勧められたのがGOプリだ。
youtubeではプリキュアシリーズの1話だけを無料公開しているので、まずは1話を観ることに。
「片田舎から出てきた世間知らずな女の子がプリンセスを目指す物語」
最初はそんな印象だったが、その印象は大きく変わっていった。
私がGOプリに1番魅力を感じたのは主人公「春野はるか」の成長度合いだ。
回を追うごとにはるかは成長する、まっすぐな彼女の姿勢に心打たれた。
劇中でも彼女は仲間達を支えて、いつしか大きな存在となっていく。
強く、優しく、美しく。
街を、仲間達を守り戦うその姿はまさにプリンセス。
社畜が故、エンタメを楽しむ事ができず、荒んでいた私の心にも彼女のひたむきさは刺さった。
物語で対峙する敵キャラも魅力的だ。
なによりも大ボス(の声優さん)は宇宙世紀にその名を知らぬ者はいない榊原ディスピア良子氏だ。
既に放送から9年が経っているとはいえ、この当時でこのキャスティングはかなり思い切った配役ではないかと視聴しながら感じた。
ヒール、もとい敵役は物語を引き立てる重要な位置にある事は言わずもがなだ。
その逆も然り、ELPがライオンマークのTシャツに袖を通す事を誰が予想出来ただろうか。
(プリキュアで同様の現象が起きる事を「光堕ち」と言います)
魅力的な敵キャラに立ち向かうだけでなく、そこに生まれるドラマも一筋縄ではいかないのがプリキュアのびっくりドッキリポイントであり、見どころの一つだ。
閑話休題
GOプリを言い表すなら「夢」をテーマにした作品だ。
どんな困難も夢と希望で立ち向かう物語。
夢を諦めなかった人。
夢を探し続ける人
夢を信じ続けた人。
夢が変わった人。
人の数だけ夢があり、夢の数だけ物語がある。
答えは一つでは無いのだ。
この物語をどうか最後まで観て欲しい。
春野はるかはプリンセスという夢を叶えたのか。
最終回を観た私は寂しくも、何処か清々しい気持ちになった。
出会いと別れを繰り返し、少女はいつか大人になる。それは時に恋の終わりのように切ない。
だが、信じる心は変わらない。
人はいつだって前に向かって走り続けなければならないが、絶望に打ちひしがれる時もある。
そんな時、明日を変えるのは、果てしない「夢」の存在以外に答えは無いのかもしれない。きっと。
社畜にも朝はくる。
頼むからプロレス興行のある日は休ませて欲しいと願うばかりだ。