「水中戦跡」のデータ化、他もぜひ進めてくれると良いです。

 10月25日の朝日新聞デジタルに、「太平洋の激戦地に沈んだ戦跡を3D化、現地ダイバーらが保存活動へ」という記事が出ています。

 サイパンで、海中に沈んだ艦船や航空機の現状を調査する試みが行われているということを紹介しているのですが、デジタルで撮影して、それを3D化しているとのことです。記事の写真として、飛行機や船舶の3D化の画像が出ています。
 損傷個所がわかるようにしてあるとのことなのですが、80年近くたっているのですから、もちろん経年劣化が進んでいますし、攻撃を受けた結果沈んでいるわけですから、攻撃による損傷部分は痛みは激しいわけですが、海中に沈んだままなのですから、極端に圧力がかからなければ、急激に損傷することはないでしょう(海中から引き上げる方がむしろ破損が激しくなるので、このまま海中に沈んでいた方がまだ良いです)。

 ダイビングスポットとして人気なので、少しでも長く保存するために調査を始めたようなのですが、保存するというよりも現状が把握できる方のメリットが大きいですね。もちろん現状の損傷具合がわかることで、少しでも長く保存する方法も検討できますが、戦争の歴史を知るための材料として、飛行機や船舶などがこのような状態で海中に沈んでいるという事実が明らかになることのメリットは、非常に大きいと思います。

 小笠原の父島でも同じような調査が行われているようですが、ダイビングを楽しみだけでなく、ダイビングが楽しめるほどのきれいな海が、昔戦場で、多くの人の血が流れたということを、もはや戦争のことはすっかりわからなくなっている日本人に対して、非常に重要な学習材料になるはずですので、他の地域でもこのような調査が進むと良いですね。


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