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必ずしも悪いことではないと思いますが、学校の在り方が問われている現在、考えるべき問題でしょうね。埼玉県の男女別高校について。

 12月10日から12日にかけて、朝日新聞の連載「ジェンダーを考える」に、埼玉県の男女別高校について、埼玉県男女共同参画苦情処理委員による勧告を受けての議論が記事になっています。
・12月10日「「県立高校、早期に共学化すべき」…20年ぶりの勧告に揺れる埼玉」
・12月11日「共学化は「魅力薄れる」「良い学校になる」 県立高への勧告巡り賛否」
・12月12日「埼玉の共学化勧告 識者は「公教育は男女平等」「別学は学力伸びる」」

 勧告自体は8月30日に出されているので、関連する記事が他にも散見されますが、勧告の趣旨が「「男女別学」は女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約上、男女別学であることだけでは条約違反とはされていないものの「男女共学」での教育が奨励されており、男女の役割についての定型化された概念の撤廃が求められている」ため、「埼玉県立高校において、共学化が早期に実現されるべきである」とされていることから、共学化について議論が持たれているのです。

 「公的機関が性別に基づき異なった取り扱いをなすのは大問題」との勧告に共鳴して共学化に賛成する市民グループと、「「多様性(ダイバーシティ)、ジェンダー平等、更には少数者の意思を尊重し、あらゆる個人に対して選択肢の幅を拡げるという現代の視点」に照らせば「別学の意義は再認識され、むしろ積極的に評価すべきもの」と主張。共学化すれば公立の別学校への進学を望む生徒の選択の幅を狭める」として、現状維持を望む県立浦和高同窓会の意見(12月7日付け「「男女別学、維持されるべき」 県立浦和高の同窓会が意見書」)と出ていますが、どちらの言い分も一理あって、判断は難しいですね。
 個人的には、「個人の尊重」という点で別学も悪くないと思っています。特に12月7日付けの県立浦和高同窓会の意見にある「高校生には「異性と接することに恐怖心、抵抗感を抱く者は少なからず存在しよう」として、教育機関は「このような意識を持つ者も学校生活が有意義に送れるよう配慮すべき」だと指摘。共学化については、「社会に実際存する男女間の格差や不平等が、そのまま学校内に持ち込まれてしまうというリスクすらある」」という点は大事だと思います。以前からも男女別学のメリットとして、「異性の目を気にせずにノビノビできる」という話を聞いたことがありますし、多感な時期である高校時代は、学校関係が日常のほとんどを占めているわけですから、男女問わず別学に魅力を感じる高校生は一定数いると思われますので、そういう選択肢があっても良いのではないかと思います。
 
 ただし、今回は「男女別学校における管理職や教職員の格差における問題」が絡んでいることもあり、その点も考えると、「共学化」へ向かうのは、やむを得ないことだと考えざるを得ないような気がします。

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