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臨時的任用教員にも研修は必要ですが、実際には行われていないのが現状でしょうね。

 2月25日の朝日新聞デジタルに、「深刻化する教員不足、代役への研修機会に課題 学校任せのケースも」という記事が出ています。

 臨時的任用教員(臨任教員)、特に1年目の臨任教員への研修機会が少ないというのは、もちろん問題ではありますが、研修が行われていないというのは、ある意味やむを得ない状況だと思います。「授業の質をどう高める」ということ自体、正規の教員でも難しいことで、「正規教員は1年目、「初任者研修」と呼ばれる年間プログラムを受講する」とされていますが、それを受講したところで授業の質が高まるかと言えば、必ずしもそうなるわけではありません。
 これをやれば絶対ということはないので、実際授業をやっていくなかで、自ら課題意識を持ちながら、時に先輩教員の指導を受け、時に自分で書籍を読み、時にいろいろな研修会に参加したりと試行錯誤しながら、授業をやってみて子どもたちの反応を見ていくということを繰り返すことが、一番大切なことだろうと思っています。

 臨任教員の場合、そのような機会が多いわけではないですが、産育休、病休などに入った教員の代役が見つかりにくいなかで臨任教員として来てくれた方には、ある意味即戦力として期待されている部分があると思いますから、ある程度できる状況であって欲しいというのが、学校側の本音だと思います。
 ただし、現状ではそういう人は既にどこかで仕事をされている可能性が高いわけで、期待通りに動ける人を見つけるのは難しくなっているからこそ、学校現場での支援が必要になっているわけです。

 おそらく、多くの大人は、もちろん自分が学校で習った経験があり、子どもに教えるということが難しいことだとは思っていない、もしくは何とかなるはずと思っている方が結構いるのではないかと思います。しかし、実際に教えてみると、小学生でも(あるいは小学生だから)分かるように教えるのがかなり難しいということが、その時初めて分かるのだと思います。
 子どもによって理解力が違いますし、もともと持っている知識の量や質も違いますから、現役の教員でも年によって子どもの理解力に差があると感じることもあるはずでしょうし、集団によっても違うということを感じる場面は多いはずです。
 だからこそ、教員は専門職なのであり、常に研修してブラッシュアップすることが大切なのです。むしろ現役の教員自身がそれを自覚していない場合もあるでしょうが、人にものを教えるということは難しいことなのであり、それゆえ教員は専門職でなければならないのであり、授業研究、教材研究等の時間が確保される必要があるわけで、そもそも授業を行うための準備などに時間がかかるのが基本なのですから、文科省や教委からのいろいろな調査などや、部活動などの授業以外の業務を負わせることは、必然的に長時間労働につながることなのです。

 「臨時的任用教員にも研修は必要」ということを考えることは、教員の存在意義を再認識することであり、教員の働き方を考えることなのだろうと思います。


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