果物だって、ホタテだって、誰だって食べたいはず。もう少し給料が上がれば!

 9月30日の朝日新聞デジタルに、「「ホタテを1人年5粒食べて」 農水相が国民に異例の呼びかけ」という記事と、「なぜか果物を食べない日本人 目標は1日200gでも4割はゼロ」という記事が出ています。

 ホタテの方は、「東京電力福島第一原発の処理水放出で、中国と香港が日本の水産物の輸入規制を強化」したため、「影響の大きい北海道などのホタテについて、国内での消費を促して水産業者の被害を最小限にとどめるねらい」で、農水相が「食べて応援してほしい」と訴えたもので、果物の方は、「日本では四季折々の果物が楽しめ」るのに、「驚くほど果物を食べ」ない、「若い世代ほど」食べていないが、「果物は野菜と同じように生活習慣病のリスクを減らし、健康維持に大きな役割を果た」すので、摂取することを呼びかけたものです。

 果物の方にはコメントが寄せられているのですが、「果物の値段が高い」というコメントが見受けられます。私の住む地域は田舎なので、農協の直売所や無人販売所などがあり、果物や野菜がものにもよっては割安で買えます(庭にミカンやレモン、ブドウ、柿、ブルーベリーなどを植えてあったりもします)が、確かにスーパーの値段を見ると、高い印象を受けます。果物は嗜好品なので、野菜に比べれば、必然的に買う頻度は減るでしょう。特に若者にとっては、値段の高さから果物には手が出ないという場面は多いと思います。
 値段という点では、ホタテも同じです。決して安いものではありませんし、食事として頻繁に食べるものでもないですし、ましてや今回は水産業者を応援するために、中国への輸出でホタテが占める467億円と2位の香港の約140億円分を少しでも穴埋めすべく買って食べてくれ!ということなのですから、ホタテが安くなることはないわけです。

 もちろん個人の好みもありますが、果物にしたって、ホタテにしたって、たぶん値段がもう少し安ければ、あるいは逆にもう少し給料が高ければ(現在の日本としては、もう少し給料が上がる方が望まれるわけですが)、もっと多くの人が食べるのではないかと思うのですが、その点はまったく触れないで、ただ買って食べろと言われても無理な話ですよね。農水省も厚生省も、自分たちの領域だけのことしか考えていないので、呼びかけの内容自体は良いことなのに、国民には響かないでしょう。

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