「あなたは最近マナーが悪いわ。昔より不親切よ。」【チャーチル/ヒトラーから…より】

「あなたは最近マナーが悪いわ。昔より不親切よ。攻撃的だし、辛辣で横柄で無礼よ。嫌われ者になって欲しくないの。穏やかさと思いやりを持たないと。みんなにの尊敬される人になって。」

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』の映画をテレビでみて書いたメモが出てきました。台詞そのものだったのか、耳にして要約したのかは忘れました。「あなたは最近マナーが悪いわ」は台詞そのままだと思います。

チャーチルの妻クレメンティーン演じるクリスティン・スコット・トーマスのこの台詞が良くて、慌ててメモったことは忘れていません。

2017年の映画ですが、皮肉屋で偉そうな年寄りになって煙たがられているチャーチルを演じているゲイリー・オールドマンの演技はホントににくったらしくて素晴らしいし、あのメイクを手掛けたのが日本生まれのアーティスト、カズ・ヒロさんです。

カズ・ヒロさんが日本のテレビに出演していたときに改名とアメリカに帰化したことを知りました。理由を断ち切りたかった日本での人間関係が何だったのか気になりますが、苗字を選ばなかったことは何か意味があるのかと深読みしてしまいました。

私は日本大好きですけれど、ぶった斬りたい人間関係は生きていれば出てきますから、わからなくもないです。

三食お酒ばっかり飲んでいるチャーチルと、一緒に飲んでる妻の夫婦の関係が一番印象に残っています。嫌味ばかり言ってる嫌われ者の偏屈な爺さんなのに、妻には豚ちゃんとかニックネームで呼ばれても怒らないのは不思議でした。妻はひどいこと言われて縁が切れそうになったも、どこかで夫の信念を信じて少し離れたところで半ば呆れながらも別れないで見ています。お互いに愛があることを感じているからできることでしょうか。あそこまでは私はできない。

あのチャーチルのキレ方は、最近問題になっている高齢者がキレやすくなっている原因の脳の萎縮かと思ってしまいました。自分は間違えるはずがない自分こそが正しいと信じ込んで他の人を罵倒するのも、脳が衰える老化現象かもしれないのです。

2019年の犯罪白書によると、若者の傷害や暴行といった犯罪は減っているのに65歳以上の高齢者は犯罪は増えていています。感情が抑制できなくなっての犯行が増えているのだそうです。

感情を抑える理性のブレーキは脳の前頭葉で行われるのですが、そこは老化で衰えやすく、バカにされたと感じたり、自己愛が傷つけられると怒りのブレーキが利かなくなるということです。

キレる年寄りにならないためには、理性を司る前頭葉に刺激を与えて、脳の老化を防がなくてはなりません。脳は使わないと衰えてしまうのです。

同じことの繰り返しだけでなく、意欲的に新しいことにチャレンジすることは前頭葉の刺激になります。

対処方法は、認知症の人に接するのと同じです。本人が穏やかに過ごせるように好きな音楽や慣れた場所で過ごしてもらうようにして、本人のペースで動いたり会話したりします。傷つきやすくなっていますので、否定はしないで肯定しながら話をすることです。

うまく対処できなければ、専門医に相談したり、地域のケアマネージャーに相談するなど、一人で抱え込まないようにすることです。怒っている時には、逃げられるようなら隣の部屋にでも逃げてしまって、自分の身を守りましょう。

以前調べた速聴は、脳の前頭葉を刺激します。認知症は長い間ゆっくりと進む病です。予防は早くはじめても良いと思います。

私も聞いておこう。



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