添付文書を読み込む〜その前に一言~

添付文書。

薬剤師にとって必需品なんですが、実はこれ。ナカナカナカナカのクセモノでして読み込むにはそれなりの知識も経験も要してしまうんですよね。

でも、添付文書に書いてあることは法的に定められたものですし、何よりこれを信じなければ何を信じて仕事をしたら良いのかわからなくなってしまいます。

読み慣れて行くとかなり良い資料になるのは間違いありません。

実は時代とも共に変化している

添付文書の書式が統一されたのはせいぜい20年前くらいです。
それまでは結構自由で必ずしもA4ではありませんでした。
それはそれは保管に苦しんだものです。
ネットで調べる事もできなかった時代です。

年代によって副作用の扱いも異なる

私がしっかり覚えているのは、リピトールの発売時期の頃です。
その時代は黙っていてもMRさんがやってきていろんな事を教えてもらえました。
そんな中でリピトールが出た際に「副作用が多いじゃない!?」と、MRさんに聞いたことがあります。
当時はセルタやバイコールの発売中止もあったり副作用には過敏な時代でした(セルタ、バイコールなんてみなさんは知らないと思いますが・・・)。

それまでの薬は副作用が出ても投与を続けて数値や症状が改善すれば副作用として扱われなかったのですが、リピトールくらいからは検査値も観察期間で一度でも正常値からオーバーすれば一件の副作用としてカウントされたと聞きます。

その為、添付文書は時代によって基準が異なるという事は意識しておいた方が良いかと思います。

古い医薬品の添付文書ってのは・・・

例えばロキソプロフェンですが、これなんかは古い薬ですので、正直なところ最新の内容はあまり反映されてません。
高齢者に対しても普通に1日3回で長期に渡って使用されており、薬剤師の中には疑義照会で苦い経験をした人もあるかと思います。

確かに添付文書通りの使用はできますが、腎機能に応じた使用量に関した具体的な記載はありません。
また、類薬のセレコキシブに心不全や脳卒中に関する警告がありますが、じゃあロキソプロフェンの方が安全と言い切ることはできません。ジクロフェナクはセレコキシブより心毒性は高いという報告を目にした事はありますが、ジクロフェナクの添付文書には警告の記載はありません。

このように時代によって記載する基準が変わっていく事を踏まえて読み込むと良いかと思います。

その判断にはガイドラインなどが良いかと思います。またはメタアナリシスかと思います。
しかしながら過信は禁物です。

シリーズ化を目指してます

様々な情報がある中で添付文書は薬剤師にとって基本と思います。
添付文書を読み込む記事をシリーズ化していきたいと考えてます。
個人的な意見を述べるとネットでは少なからず批判的な言葉は受けてしまうので、そこは有料化とさせていただくことはご了承いただきたいと思います。


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