「本当にいたこんな熟女」(2020年夏)№3(味のある女)

 「私って噛めば噛むほど味があって面白いって言われるんです」と邂逅一番、はにかみながらも自身の魅力をアピールする彼女は、現在は介護ヘルパーそしてネイリストとして働く美熟女である。
 トロンとさせた目と、ぷっくりとした唇から淫靡なムードを漂わせる。長身でバランス良く引き締まった体は、程良いボリューム感で、かつて「神スイング」が話題となったグラドルの稲村亜美を彷彿とさせる。50歳を前にした熟女とは思えない若々しい肉感的魅力に溢れた女性だ。
 「私って高校を卒業して社会人になった頃から強烈に結婚を考えていたんです」
 高校在学中は真面目な女子高生だったという。当時、友人の紹介でつき合った他校に通う同級生の彼氏と2年生の夏に初体験を済ませ、その彼とは卒業を期に別れ、一般企業にOLとして勤め社会人としてのスタートを切ったという。
 しかし、そこを半年で辞め、次に就職したスーパーの職場で、初めて将来を誓う男性と巡り会うのだが、その重すぎる彼女の結婚願望にたじろがれ、ふられてしまう。
 その後スーパーも辞め、実家に戻ると喫茶店やレストラン、スナック、キャバクラと転々とするうちに、男性との交接する機会もグングンと増え、特にキャバクラではよくお客さんに口説かれたという。その度に店外デート&ベッドを共にしていたそうだ。
 いつしか婚活も棚に上げ男性との出会いそのものを楽しみだしていった。
 「23~24歳ぐらいって凄くチャラかったですから、その場限りの人ばっかりでした」
 30代の大台も超え、再び結婚願望が頭をもたげだした彼女。SNSのマッチングアプリにハマると、それを使い婚活活動を再び開始するも、結果として良縁には恵まれなかったという。
 そんなある日、キャバの同僚に紹介されパーティー(乱交)に参加。
 「不思議な感じでした。男女が4対3でやるんですが、他人のSEXを見られるのが面白くてハマりました」
 最初は緊張し、ただただ受け身に徹した彼女。だが、その日に初めて会った複数の男性と交わった時、コンプレックスだった大きなお尻を誉められたことで新たな自分の魅力に目覚めたという。
「毎週1回のペースで交通費をもらう程度でした。別にお金じゃなくて、とにかく楽しかった。雰囲気も良かったし、非日常感が好きでした」
 彼女にとってよっぽどこのパーティーと肌が合ったのか、10年もの間、この同じパーティーに参加し続けたという。そこで様々な性交体験を重ねるうちに感度も増し、男性の股間周辺を、執拗に舐めまくる性癖にも目覚めたという。だが、そんな楽しい乱交な日々の終わりは突然やって来たのだった。
 「私がたまたまお休みしていた時に、警察に踏み込まれて摘発を受け、急に解散したんです」
 気が付けば38歳となっていた彼女は、長年パーティーで開発された体を持て余しながら、自分を見つめる時間を持つと突然、ネイルの学校へ通いだし修学の末に実家でネイルサロンを開業するのだった。そして母親を介護の末に看取ると今度は資格を取得し、介護ヘルパーの仕事も始めだした。さらに最近ではジムで筋トレにも勤しむようになりまさにストイックな生活を送る彼女。
「とにかく自分を変えないと変わらないと思ったんです」
 人間変われば変わるものと言いたいところだが、出会い系サイトを使った男性とのデートだけはいまだに止められないという。まだまだ彼女の婚活は続きそうである。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?