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部下から『報連相』がないのは、お前が悪い


僕が会社員だった頃、同僚・先輩・上司に対して言いたくて言えなかったことがあります。


それは…

「『報連相』の言葉の使い方間違ってますよ。」です。

今やっと言えました。


僕は会社員としてかなりポンコツな部類だったので、新人時代にはよく先輩・上司からこんなことを言われていました。

報連相を徹底しなさい!」

「なんで報連相がちゃんとできない!」

「社会人として報連相は基本だ!」

そのときいつも僕は心の中でこう思ってたんです。
「また『報連相』の言葉の使い方間違ってるなぁ…」って。


こんな後輩・部下嫌ですよね。僕だって嫌です。人の言葉の使い方に文句言う前に、「報告・連絡・相談をちゃんとできるようになれよ」って感じですよね。

もちろん反省しています。この通りです。

と言っても、今でも報告・連絡・相談は苦手ですけどね。
だからこそ、1人で仕事をする道を選んでるんです。だからまぁ、つべこべ言うなよ。


そんなことはさて置き本題です。

「報連相の使い方間違ってなくない?」

そう思った方、やばいです。無知です。頭が悪いです。とまでは言いませんが、社会人として恥ずかしいと思ってください。


僕の職場だけかもしれませんが、社会人って業界用語的なものとか、専門用語的なものを使いたがる人種多くないですか?正しい意味も知らずにそれっぽい言葉を使いたがる。その典型的な例が「報連相」という言葉だと思ってます。


報連相という言葉は、「先輩・上司が業務上正しい判断ができるように、適切なタイミング・適切な方法で、報告・連絡・相談をしなさい!」という後輩・部下をしつけのための言葉だと思っていませんか?


違います!違いすぎます!
この言葉を作った本人が聞いたら心底がっかりするでしょう。


ん?
そう言えば、この『報連相』という言葉を作った人って誰?


山崎富治氏です。

山崎富治

優しそうな顔ですね。


『報連相』という言葉は、1982年に山種証券という会社の社長である山崎富治氏が発案した社内キャンペーン、「ほうれんそう運動」が起源とされています。

彼の著書である『ほうれんそうが会社を強くする』がベストセラーとなったことで世に広まったそうです。


結構古い言葉ですよね。
1982年と言えば、忘れられないあの年です。


ほとんどが空洞でありながら国民的お菓子にまで登りつめた
奇跡のスナック菓子「おっとっと」が森永製菓から発売されたのが、
まさに1982年ですね。

初代おっとっと

そう言えば、500円玉硬貨が発行されたのも1982年でした。

それくらい古い言葉なんです。



さて、
大事なのは『報連相』という言葉の本来の意味です。山崎氏が発案した「ほうれんそう運動」という社内キャンペーンの意図はこうです。

「末端社員であっても容易に報告・連絡・相談が行える風通しの良い職場環境をつくろう!」

『報連相』というのは、このような意図で作られた言葉なんです。実際、山崎氏は自身の著書でこのように語っています。

下からの意見をどう吸いあげるか、みんなが働きやすい環境をどう作るか、暖かい人間関係をどう作るか、少数精鋭で社員一人ひとりに厚く報いるには…と、つね日ごろ頭を悩ませていたとき思いついたのが、"ほうれんそう"だった。

そして、次のようにも書いています。

営業部の末端意見が聞こえない原因が、その部長にあるとわかったら、ためらわず替えてみる。その結果"ほうれんそう"がよくなって、スタッフの声が聞こえてくるようになったら、これは大成功である。


『報連相』という言葉は、「末端社員よ!報告・連絡・相談を徹底しなさい!」という意味で使う言葉ではありません。

「末端社員でも、臆さずに報告・連絡・相談ができる環境をつくりなさい!」という意味で使う言葉です。

そのため、『報連相』という言葉は新入社員の教育に使う言葉ではなく、むしろベテラン社員・上司・先輩に対して呼びかけるための言葉です。


とは言っても、
部下から報告・連絡・相談がないと、どうしてもこんな言葉が頭をよぎってしまいますよね。


「ちゃんと報告しろよ!」

「連絡が遅い!」

「なんで相談してくれなかったんだ!」


部下・後輩を責めるのは少し待ってください。

そんなときは、深呼吸をしてから、この記事のタイトルを思い出してください。






部下から『報連相』がないのは、お前が悪い。


現場からは以上です。

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