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“審査官” 責任の重さ

やくさひろです。

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私はNPAAというネイル団体の理事を務めており、現在の一番の悩みがズバリ「審査官としての心得とは何たるや」ということ。

ちなみにネイル協会やネイル団体における審査官の主な役割や任務として

〇各種ネイル検定における級のジャッジメント

〇セミナーやイベントでのデモンストレーション

などがあげられます。

私は20歳そこそこで審査官の資格、インストラクターの資格を取得したわけですが、数々のジレンマとたたかいながら、葛藤する想いを抱きながら何とか自分なりの答えを見つけ出すことができました。

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審査官は技術、理論等を含め、総合的に高度な知識が求められます。審査過程において、中には判断が難しい案件もあります。そんなときも、周囲の経験豊富な審査官と相談して、適切な判断を行うよう心がけていく必要があります。

検定試験においての判定付与の判断は基本的には自分一人で行うものですが、受験者に納得していただける審査をするためには、日頃からいろいろな人と積極的にコミュニケーションを図ることも大切です。

この部分においてSNSや自分の好きな人、ファンの方の影響を強く受けすぎてしまうと、審査の見方に影響や偏りが生じてしまうのではないかと懸念しています。

審査という仕事は、公平かつ公正な判断を通じて、検定受験者のよりよい権利取得のお手伝いをすることだと考えています。そしてその積み重ねが、技術向上を促しネイルビジネス全体の革新へと繋がっていると感じています。

特にネイル検定の審査官には技術と知識だけではなく、様々なブランドの知識を修得する必要があり、ある意味特殊なスキルが要求されます。決して一朝一夕では身につきません。

私は審査官として新人の指導をしています。かつての自分を振り返りながら、同じ質問を投げかけ、審査の知識や考え方を教えています。また、ネイルに関する様々な話題を提供して、日本のみならず海外での役割や重要性を伝え、審査の責任とやりがいを感じてもらっています。

皆様の中には、技術や知識、審査実務に不安を感じている人もいるかもしれません。しかし、心配は無用です。NPAAの審査方法は、審査手法の優劣を議論することはやめ、なぜ審査手法が違うのか、その理由を理解することに議論の重点を置くようにしました。そうすることでお互いを尊重した議論となり、議論が進むにつれてお互いの審査手法の利点がみえてきました。

審査官に求められるスキルとして、技術的知識と学科知識、さらには社会のニーズをくみ上げる力、その他ネイル関連企業との連携を図る交渉力やそれを支えるコミュニケーション力、審査業務を円滑に運営するための管理能力など、業務にはさまざまな知識、能力が必要ですが、その分個人個人の得意分野を生かせる職だと言えます。

中でも、正しい技術的判断や臨機応変な判断ができているかを同僚審査官とディスカッションする協議は、重要な業務の一つです。お互いの意見を述べ合い、妥当な結論を導き出し、一つ一つの案件に適切な判断を示していく。これを積み重ねることで、審査官個人として、そして組織として、力量がついていくのだと思っています。

この部分が特に大切で「自分の趣味趣向、好み、タイプ」という固定概念をとっぱらう必要があります。

ユーザーの期待に応える審査マネジメントを行うためには、技術の複雑高度化が加速する中、ニーズの多様化を全面的に受け止めていく必要があります。

またスクール開講の審査の最終判断は審査官一人の名前で出すものが多いと思われますが、個々の審査結果が的確でかつバラツキのないものとするために、可能な限り他の審査官による内容チェックに加え、審査官同士が協議を行い、また技術動向をまとめ、審判決の勉強会を開き、さらには企業や学会へ出向いてニーズや技術トレンドを把握することで、各々の仕事を確認しあい、また研鑽を積むことによってパフォーマンスを高めると考えています。

変容・多様化などにより,人材に求められる人材像も変わりつつあります。そのような中,NPAAでは,審査官に対して,新たなニーズに対応した適切な権利の設定のために,コミュニケーション能力の強化,的確な技術動向の把握,技術対応幅の拡大,ビジネス的素養の向上などを求めています。

このように,審査官の人材育成に関しては,新たな時代に柔軟に対応できるよう審査官の知識・能力の一層の向上に努めると同時に,国際的な連携にも適切に対応することが求められています。

審査官の立場と受験者(消費者)の立場と想いが結果的にマッチする理想の姿は

この検定試験を受験してよかった。自分に足りていない部分、できている部分が明確になった

と自己理解へと繋がることが検定試験の第一の目的なのではないかと考えます。

そのためにはやはり技術職であるということを前提とした、きめ細やかな対応と関わりが必要になるのだと考えます。

検定に合格するための練習でもあり、技術を養うための練習でもあり、何よりも楽しみながら練習をする、結果を実感できたときの喜びを感じていただけるような検定試験を追及することも、NPAAの使命の一つであると考えております。

今後も多くの支援者に支えられ、そして審査官の皆様のお力添えをいただきながら、いま一度「マニキュアリストを目指して練習をしていた頃の私」の精神に立ちかえり、一層の努力をして皆様と一緒により良い環境をつくっていくために努力していく必要性を強く感じています。

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