Hello, world!
ときどき、どういう仕組みか分からないのだけれど、道を歩いたりしているときに、子供のころによく見たアニメの主題歌が思い出されたりする。
なかでも頻度が高いものに『銀河漂流バイファム』がある。1983年から84年にかけての放映をリアルタイムで見ていた。ということは、12歳から13歳くらいだろうか。
オープニングテーマは「HELLO, VIFAM」といって、キーボードのイントロとともに、作中に登場するラウンドバーニアン(ロボット兵器)を起動する際のやりとりの音声が入る。
その途中で、"Hello, I am Vifam."とコンピュータが応答するセリフがある。いまでいう人工知能(AI)だ。
その頃、私はコンピュータを触り始めて、見よう見まねでプログラムの真似事をしていた。
プログラムを学ぶとき、最初に試すことの一つに画面に文字列を表示するというのがある。例えば、"Hello, world."と表示させるわけである。
当時のコンピュータはマルチウィンドウではなく、ただ一つ、のっぺりと黒い画面があるだけで、そこに白や緑のフォントで表示されると、あたかもパソコンが、意識を宿して、目覚めの挨拶を送ってきたかのような気分になる。
そんな経験をしているところだったからかもしれない。オープニングテーマで、バイファムに搭載されたコンピュータが、起動とともに”Hello, I am Vifam."と挨拶を送る様子が、声の調子とともにずっと記憶に刻まれているのだった。
と書くうちに思い出したのだけれど、私はこのテーマ曲を含むサウンドトラックのカセットテープを買って繰り返し聴いていたのだった。それは覚えているわけね。
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