アクセス拒否は突然に。

不如意なことは続くもので、先日ウェブカメラのことを書いた直後に、今度は講読中のオンラインジャーナルを読めなくなるというトラブルに見舞われた。

nature human behaviourといって、科学雑誌で有名なnatureの姉妹誌だ。「人間行動」というテーマだけに、自然科学、社会科学、人文学が交差するような面白い論文が多い。なにしろ人間の行動といったら、それは多様で、いろいろなものに関わりがあるから、百学連環でないと対処しきれない道理。

というので、サブスクリプションを申し込んで読んでいる。

先日までは問題なく読めていた。オンラインのみの雑誌なので、ウェブで読む(PDFのダウンロードもあり)。

3日ほど前に、用があって論文を探しにいった。人間の記憶にまつわる話を書いたものはあるかなというので、検索して読みたいものが数点あったので、さっそくどれどれと当該論文のページに移動する。

すると、冒頭のアブストラクト(要約)までは読めるものの、そのすぐ下に「全文を読むには、サブスクリプションが必要です」と出てくる。

むむむ。

落ち着いて、ログアウトとログインをやり直す。そんなことで解決する場合も少なくないからだ。

でもダメ。読めない。

他にどんな可能性があるだろう……。なんらかの理由で契約が解除されたのか、契約したつもりが代金払い込み処理の不具合かなにかで成立していなかったのか、あるいは、科学論文を一括して講読するシステムに登録した影響とか……?

トラブルに見舞われると、原因や理由について、いろいろなことを考えるものだ。ゲーム開発の仕事が長いこともあって、プログラムに不具合が生じるバグに遭遇すると、まずは原因や可能性をあれこれ考えるのが習い性になっている。

思いついた原因について、一つずつ確認してゆく。代金の振り込みは、クレジットの記録を見ると正しく済んでいる。その結果、先方から領収書を兼ねた書類がPDFで送られてきている。見直すと、講読契約は成立しているようだ。別途使っている科学論文のデータベースは、natureとは直接関係していない。

念のため、いつも使っているPCの他、iPadからもアクセスしてみる。これもダメ。

というので、問い合わせのメールを書き送る。なるべく往復が少なくて済むように、契約書に記されている顧客番号や契約番号、誌名、生じている現象を簡潔に書く。

すぐにシステムから応答があって、あなたの問い合わせに、このチケット番号を発行した。以後、この件についてはこの番号を添えてお願いしますとのこと。合理的である。24時間以内に応答しますとも。

1日経たずに返信があって、そこにはこう書かれていた。

・ブラウザのキャッシュをクリアして、再度ログインしてみてください。
・いまお使いのとは別のブラウザも試してみてください。
・この対処でもダメな場合、スクリーンショットを添えてお知らせください。
・なんにしても、気になることは気軽にお尋ねくださいな。

なるほど、それは自力で思いつくべきだった。
(最後の一文は、小さな社交辞令のようなものかもしれないが、読み手は存外こんなことで安心するものである)

というので、キャッシュをクリアして再ログイン。ダメ。

普段使っているfirefox以外にインストールしているブラウザ4種でもログインを試してみる。全部ダメ。

というので、改めて試みたことを伝えて、関連する画面のスクリーンショットを添えて送る。

すると、自分たちのチームでは解決できない問題であることが分かったので、別のチームに移管するので、ちょっと待ってね、と返信があり、そのメールの数分後に、その別のチームからメールが届く。

もう一度、お使いのアカウントでログインしてみてください。それでダメだったら、お手数ですが改めてお知らせくださいな。

どんな対処をしたのか、原因はなんだったのかは書いてないので、ちょっと半信半疑のまま、アクセスしてみると、今度は読めるようになっていた。

おそらく先方の顧客データベース上で、なんらか不適切なデータの変更が生じ、私のサブスクリプションの状態が、未講読になっていたのではないかと思う。それを適切な状態に戻したのだろう。とは勝手な推測。

ともあれ、元に戻ったので助かった。お礼のメールを書いて一件落着。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?