バスに駆け込む犬たち
夜、交差点で信号が変わるのを待っている。
車通りは少ない。
右手から犬の群れが走ってくる。5、6匹くらいだろうか。車道を、競技場のトラックかなにかのように、きれいに並んで走ってくる。まだ小さい犬のようだ。
ほー、と犬たちを目で追うと、ちょうど私の目の前で、右に向かってきれいに進路を変える。私から見ると、道を向こうにわたっていく格好である。
そこへ左手から大きなバスがゆっくりとやってくる。犬たちがやってきた道からすれば対向車線だ。
ちょうどそちらへ向かっていた犬たちは、どうするのか。危なくないかな、と心配していると、次の瞬間、つぎつぎとバスの上のほうにある窓まで駆け上った!(猫のように)
と思ったら、空いていたらしいその窓から頭を入れて、みなこちらにお尻を向けている。もぞもぞと体を動かして、どうやらバスに乗り込もうという様子。
へー、と目を丸くしているうちにバスは右手へ走り去っていった。
と思ったら、また右手から犬の群れが。そして左手からバスが。
同じように犬たちはバスに駆け上る。今度はバスの側にも犬たちの姿があって、飛び乗ってくる仲間たちをくわえて引き上げたりしている。
走っているバスに走り込まなくてもよさそうなものだけれど、犬たちにもなにか事情があるに違いない。
というところで目が覚めた。
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