002. 大まかな覚え書き

夏目漱石の『吾輩は猫である』をゲームにしようと思う。

今回はデジタルゲームではないゲームを念頭に置いている。現時点でおおまかに考えていることを並べてみる。『吾輩は猫である』と毎回書くのは手間なので『猫』と書く。

・カードゲーム
・複数人で遊べる
・プレイヤーはそれぞれが登場人物のいずれかになる
・人物たちが丁々発止と会話する楽しさをゲームにする
・作中のセリフをカードにする
・人物はそれぞれが、ある学術を象徴している
・ノンプレイヤーキャラクターとして、実業家や泥棒や子供なども登場する
・ゲームは、いずれかの人物が、会話の場を圧倒したら終わる
・「圧倒」の仕方は複数あってよい
 (理路整然と、情緒的に、唖然とさせる、などなど)
・肝心の猫をどうするかは未定

さしあたってこんなところだろうか。

ゲームを作るにあたっては、そのゲームで遊ぶ人にどんな経験を味わわせるかを想像するのが肝心である。今回、会話に目を向けてみたのは、『猫』が多くの場合、苦沙弥先生 vs 某、という形をとっており、そのやりとりの妙こそがあの小説を読む際の大きなよろこびだと考えたからである。

小学生の頃、一度読みかけて挫折したことがあった。いまなら無理もないと思う。猫が人間を観察するという設定は、なるほど愉快だとしても、いったいなにをして暮らしているのか閑なのかという大人たちが集まっては話し合う様子を、小学生の時分には楽しいと思えなかったのだった。

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