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【福島1泊2日】「どこかにビューーン!」で郡山駅にビューーンした

JR東日本のサービス「どこかにビューーン!」を初めて利用してみた記録。
ひとり旅で、ビューーン先は「郡山駅」。想像の10倍楽しかった!

ビューーンするまで


取り立てて旅行好きでもなく鉄道好きでもない私が、なぜこのサービスに興味を持ったのか。それは「ビューカードのヘビーユーザーで、生きているだけでJREポイントが貯まる」から。通勤定期をビューカードで購入し、日常の買い物のほとんどでモバイルSuicaを利用しているため、2万・3万とポイントが貯まっていくが、なかなか使う機会がなかった。そんな中、旅行好きの家族との会話で知ったのが「どこかにビューーン」。たくさんポイントあるし、ひとり旅も1回やってみたいし、いっちょ回すか!という勢いで有給を取りに行き、その足でやってみた。

ビューーン実施


このサービスは、往復の日程とざっくりした時間を選ぶ→ランダム4駅が表示される→申し込む→後日に行き先となる1駅が知らされて、そこまでJREポイント6000点で行くことができる というもの。ランダム4駅はゲームガチャのように何回か再表示させることができる。特に行ってみたいところは無い状態、出発1週間前の実施だったが、事前に先人の知恵(YouTube、ブログ、SNS)を借りて研究。4駅全てが①在来線が止まる駅 ②途中下車で行ける駅が、高崎・大宮より東京から離れている に当てはまるまで回そうと決意。全部スクショしておけばよかったのに忘れてしまったが、5回くらいは回したと思う。申し込んだ4駅はこちら。


どこかにビューーン選択肢


軽井沢と郡山は②に当てはまっていないが、まあ何となくいいだろ!と思って申し込んでしまった。我ながら適当、あとは待つだけ。
行き先は3日以内に決まるとのことだったが、私の場合は日曜日の21時ごろに申し込んで翌日月曜日の15時ごろにはもう連絡が来た。行き先はこちら。


どこかにビューーン結果


郡山駅。地名は聞いたことがあるが、行ったことはない。東北だからなんとなく温泉がありそうだなーとか、在来線が通ってるから色々なところに行けるかなとか、色々考えながら1週間で計画を立てた。全然知らない土地だったのに、いざ行く気になって調べるうちに行ってみたいところが加速度的に増えて驚いたし、取捨選択するのが大変だった。
そんな中で急に気が向いて準備したのが「御朱印帳」。知らない街にいきなり行くのだから、何かしら目的があった方が動きやすいと思った。寺社仏閣なら色々とありそうだし…と軽い気持ちだったが、調べてみるとすてきな御朱印がたくさんあってワクワクが増した。
ちなみに、往路は朝6時ごろに東京発の新幹線、復路は夕方16時30分ごろに郡山発の新幹線だった。東京に住んでいるわけではないので3時起床が確定し、起きられなかったらどうしようと不安な毎日だった……。

ビューーン1日目

・鶴ヶ城へ

無事3時起床に成功して6時ごろ東京発の新幹線に飛び乗った。ポイントで無料にもかかわらず、窓際の快適な席になって嬉しい。約1時間20分の乗車であっという間に郡山に到着した。

がくとくん張子

郡山市のイメージキャラクター「がくとくん」のお張子。妹らしい女の子「おんぷちゃん」もいた。

大急ぎで駅を出て、西口のバスターミナルへ。ここから高速バスに乗り、会津若松市の「鶴ヶ城」まで直行する。歴史の知識は全然ないが、せっかく福島まで来たのだから有名なスポットにひとつは行っておこう!と旅程に入れた。なぜ高速バスを選んだかというと、郡山駅に通っている在来線の磐越西線が1時間に1回しか来ないから。到着が早すぎてカフェも開いていないので、早朝移動で時間を有効活用した。バスは普通の観光バスみたいな内装で、酔うことも渋滞することもなく快適そのものだった。乗車前に有人の窓口でチケットを買わなければならないので、乗り換え時間には注意。

バス乗車1時間30分、徒歩10分くらいで鶴ヶ城到着。まだ9時前。


鶴ヶ城のお堀


鏡のようなお堀。この日は天気にも恵まれてめちゃくちゃ綺麗だった。


御城印と鶴ヶ城


御朱印帳には貼らないほうがいいらしいが「ご城印」も購入。あかべこ柄で可愛い。かっこいい家紋柄も選べた。

新幹線の中でオンラインチケットを買ったので天守閣に登る。中は会津の歴史がわかる博物館のようになっている。日本刀が展示されていたり、大河ドラマ「八重の桜」の俳優さんの着用衣装があったりした。
学が無く全く知識がないので行こうか迷っていたが、勉強になったし珍しいものが色々見られて思ったよりも楽しかった。お土産物屋の奥にある追加の展示(当時の建築の再現?)も子供向けでわかりやすかった。
展示内容では、武将の「変わり兜」というのがどれも厨二病のようなデザインで面白かったのでおすすめ。あと、白虎隊の自刄で亡くなった少年19人の肖像画とひとこと紹介が展示されてたんだけど、何百年経っても学校の通知表みたいな内容が貼り出され続けるのは気まずすぎるからやっぱり死ぬのはダメだなと変なことを思ってしまった。私なら天国で絶対「他の奴は成績優秀とか剣術が上手いって書かれてるのに、俺は『兄弟と仲良い』って、他になんかないのかよ!」とか文句を言ってしまう。

鶴ヶ城の石垣

城が建った当時から残っている?石垣。

天守閣の眺望


天守閣からの景色。右端のとんがってる山が磐梯山。左の雪を被った山、旅行中常に見えてたけどなんだろう。

天守閣を出て流れで歩いていくと、オンラインチケットでセットになっていたお茶室の「麟閣」がある。そこでは600円で抹茶が飲める。

麟閣の抹茶


抹茶(温冷選べる。私は冷たい方を選んだので氷入り)は口当たりなめらか、セットのお饅頭はモチモチで本当に美味しい!あかべこ柄の懐紙(売ってた)もかわいい!

その後、敷地内の神社「鶴ヶ城稲荷神社」にお参り。せっかく買った御朱印帳も活かしたかったけど、蚕養国神社という別の場所でいただくものらしくここでは見送り。

鶴ヶ城稲荷神社


お稲荷さんかわいい。

・喜多方ラーメン

ここまでがっつり観光して、まだ10:45くらい。とりあえず鶴ヶ城を出て、その辺のベンチに座ってこの近辺をリサーチすると、まもなく店が開く「喜多方ラーメン」のチェーン店を近隣に発見し、ここで早めの昼食を取ることにする。ここ会津だけど。

喜多方ラーメン


太ちぢれ麺で醤油味。肉がトロトロ。おいしい!1番トッピング載ってるやつを頼んで大満足。

・飯盛山

目の前に30分毎に来る周遊バス("あかべぇ"と"ハイカラ")の停留所があることに気づく。事前に目星をつけて行けたら行きたいと思っていた重要文化財「さざえ堂」まで15分前後で行けることが分かり、次の"ハイカラ"に乗り込んだ。さざえ堂と同じ最寄りが白虎隊自刃の地であることもそこで知り、鶴ヶ城天守閣の展示を思い出してお参りしてこようと思った。

最寄りバス停「飯盛山下」。さざえ堂はかなり高いところにあり、専用のエスカレーター(有料)に乗る。「階段でも行けるけれどマジできついからやめとけ」的な掲示があって、面白い書き方じゃないのに笑ってしまった。エスカレーターを降りたあたりで、白虎隊の御朱印が買える場所があったので記念に購入。

少し歩くと白虎隊を祀る(言い方が違ったら申し訳ない)神社のような場所があったのでお参り。隣のお土産物屋の一角でまた違う白虎隊の御朱印をいただいた。これが私のご朱印帳の1ページ目になった。

「さざえ堂」はその白虎隊の神社のような場所の隣にある。

さざえ堂

入場券を買って中(写真公開NGの模様)に入ると、すのこのようになった床がゆるい螺旋状の坂で続いている。壁にも天井にもベタベタ名前シール(千社札というそうです)が貼ってあって異様な雰囲気。上りと下りでは違うルートを通るのになぜか入り口と出口は同じ場所ですごく不思議だった。外観と中身のギャップ、降りてきたときの狐につままれたような気持ち、旅行ならではの変わった経験ができた。

さざえ堂のそばのカフェ


さざえ堂の隣にあるカフェでコーヒー飲んで休憩。

ちなみに上りはエスカレーターに乗れるが下るときは普通に徒歩のみだった。すぐ近くに「厳島神社」という綺麗な神社があったり、白虎隊が決起集会をしたという茅葺き屋根の家があったりして、ちょくちょく寄り道しながら楽しんで歩けた。飯盛山下のバス停近辺も結構栄えていて、名物の赤べこや起き上がり小法師を扱った大きなお土産屋さんがあって楽しそうだったけど時間切れで行けなかった。すぐに"ハイカラ"に飛び乗り、次の目的地へ。

・蚕養国神社

バス停「養蚕神社前」で降り、蚕養国神社へ。午前中に行った鶴ヶ城稲荷神社の御朱印がここでいただける。たまたま祭事と重なって少し待ったけれど、正装の神職の方が蚕養国神社のものとあわせて書いてくれて嬉しかったな。

蚕養国神社の桜の木

神社もとても綺麗で、樹齢1000年の桜の木は花が咲いていなくてもキラキラの新緑で素敵だった。

その後はまたしても"ハイカラ"に乗り、会津若松駅へ。ちなみにこの"ハイカラ"、会津若松駅で600円のフリーパスも売っているらしい。私は3回乗ったから10円のロスで済んだし、朝が高速バス移動だったからいいけれど、たくさん乗る人は買った方がよさそう。

周遊バスはいから


会津は街のあちこちに、「ならぬものはならぬ」と書いてあって圧がすごい。

・会津若松駅

会津若松駅は郡山ほどじゃないけれど開けた駅で、お土産屋さんや飲食店もあった。明日どうなるかわからないのでここで赤べこクッキーなどを購入してお土産ゼロを回避。

東京の広告


本気で旅先でしか見られないもの「東京に行こう!という広告」。

1時間に1本の磐越西線に1時間弱乗り、次の目的地へ。

磐越西線の車窓


車窓の景色。磐梯山はどこにいても見える。緑豊かで、ところどころに藤の花も咲いていて素敵だった。

・磐梯熱海

目的地かつ今回の宿泊地「磐梯熱海」。郡山から行ける温泉を調べる中で発見した、失礼ながら今回初めて知った温泉街の旅館で一泊することにした。旅館に許可をとっていないので内装や食事は載せないけれど、16:00ごろから翌朝10:00まで滞在。のんびりした良い時間を過ごせた。
「美人の湯」と呼ばれているらしい磐梯熱海の温泉は、身体にくっつくようなとろとろした感触。お風呂上がりの肌がスベスベになって驚いた。温泉宿に泊まるのは物心ついてから初めてだったから、泊まっている間は好きなだけ温泉に入れることや、浴衣のままで食事会場に行ってもいいことがとても新鮮で幸せだった。

磐梯熱海の藤の花


この街にも咲いていた藤の花。

ビューーン2日目

・郡山駅周辺

2日目は朝から警報級の大雨。1時間に1本の磐越西線、磐梯熱海から10時台を逃さずに乗って、20分前後で郡山に戻る。
その時に印象派展をやっていた郡山市立博物館に行くつもりだったが、バス発車までだいぶ時間があったので御朱印集めへ。
郡山駅から歩いて10分前後に位置する「阿邪訶根神社」は、猫の柄の御朱印で有名。神社の方によると待ち時間があるとのことだったので、後から取りに来ますと伝える会話の中でこれから美術館に行くと伝えると「今日は定休日ですよ」と言われ大ショック(下調べしろよ)。親切な神社の方に感謝しながら、何の目的もなくとりあえず郡山駅に戻った。

GReeeeNの扉


郡山市で結成されたグループ「GReeeeN」の記念オブジェ的なものが駅のバスターミナルにあった。GReeeeNは世代ドンピシャだし、映画の「キセキ」も見たし、オブジェのモチーフと思われる「扉」も10年以上ずっと聴いてきた曲なのでテンションが上がった。近くにはGReeeeNのメンバー4人の手形があったけど、顔を見たことがない人たちの手形を見るのはなんか不思議な気持ちだったのが正直な感想。

・郡山グルメ

雨に打たれながら、そういえば特産品的なものをあまり食べていないなと思い、駅から歩いて20分くらいかかるパン屋さんに「クリームボックス」を買いに行くことにした。どしゃぶりだったのでお散歩という風情ではなかったけれど、アーケード街もあったので辛くはなかった。
道中、たまたま薄皮饅頭の有名店「柏屋」の本店を見つけたので、限定の嘉永餅をお土産に購入。帰ってから食べたけど、もっちりしていて美味しかった。
そこからさらに歩いて目当てのパン屋さんでクリームボックスを買い、アーケード街のベンチで食べた。


クリームボックス


ミルクフランスの食パン版と言った感じで甘くて美味しい。クリームチーズみたいな風味で、胃もたれせずに食べられた。

ベンチでしばらくぼんやりしていたら、ちょうど13時過ぎになったので、お昼の休業を終えた「阿邪訶根神社」に戻って猫の御朱印を受け取る。めちゃくちゃかわいくて嬉しかった。

そのあとは駅に戻り、クリームボックスを食べたにもかかわらず小腹が空いたので昼食。前日は会津に行ったのに喜多方のラーメンを食べてしまったので、この日は郡山で会津のお蕎麦を食べた。

湖穂里のくるみそば


駅ナカの「湖穂里」というお店のくるみそば。くるみだれは甘みがあるけれどワサビも効いていておいしかった。10割蕎麦らしいけれど食べやすかった。

そのあとは駅ビル「S-PAL郡山」でぶらぶらしたり(店のラインナップは当然ながら関東と特に変わりない)、色々と展示されている観光案内所に行ったりした。観光案内所は最初に行けよ。

旅行で最後に食べたのは「おみやげ館郡山」内の生キャラメル屋さん「向山製作所Cafe」のパンケーキ。


向山製作所のパンケーキ


ふんわりしていてキャラメルソースも美味しい。枚数が選べるのがよかったな。

小腹を満たしていたらちょうど16:30ごろで、帰りの新幹線の時間になっていた。前日の温泉効果なのか不思議と疲れも感じず、すごく満たされた気持ちで旅を終えることができた。

ビューーンしてみて

繰り返しになるが、私は旅行好きでも鉄道好きでもないし、郡山にずっと行ってみたかったわけでもなかった。とても失礼な言い方だが「どこかにビューーン!」で郡山駅が当たらなければ訪れることはなかったかもしれない。
でも、今回の旅行は本当に楽しくて特別な思い出になった。かっこいいお城、街の色々なところに宿る歴史、見たこともない建物、おいしい食べ物、癒される温泉。こんな素敵な街を知らず、行ってみたいとも思わずに過ごしてきたのがもったいないと思う。郡山や会津若松で行って見たいところはまだまだたくさん残っている。リサーチ不足で行きそびれた郡山市立美術館、まわりきれなかった七日町通りや会津武家屋敷。磐梯熱海の他の温泉宿はもちろん、もう一つ行ける範囲だった東山温泉も気になる。
さらに、郡山駅からは今回行かなかったエリアにも行きやすい。五色沼、安達太良山、猪苗代、白河。下調べをしているとき、前日までどこへ行くか迷っていた。私は自動車が運転できないのと、天候が良くなかった関係でこれらのスポットは諦めたが、今後ぜひ訪れてみたい場所になった。

旅行の醍醐味は、満足できたところはもちろん、少しの心残りすらも明日への活力になることなのだと今回のビューーンで感じた。歳を重ねるごとにいつかやってみたいと思えることが減って、やりたくないことばかりが増えていくなと思っていたから嬉しい発見だった。

日々の生活で貯めたポイントで、予期せぬ場所へ連れて行ってくれる「どこかにビューーン!」。またすぐにチャレンジしてみたい。

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