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本の後ろ|文学フリマ京都
その日、本の後ろで立ったり座ったり、喋ったり、寒くて震えたりしていた。ほとんどの時間を本の後ろで過ごし、たまにそこから離れた。目の前に自分の言葉の集積が本として横たわっていて、そこに立つ人々が静かに頁を繰るのを少し視線を逸らして見ていた。本そのものを手にとってもらった時に、適切に言葉を添えることはすごく難しい。それでも本の後ろにいて、その光景が目の前にはあるということが不思議なうれしさという実感
もっとみるその日、本の後ろで立ったり座ったり、喋ったり、寒くて震えたりしていた。ほとんどの時間を本の後ろで過ごし、たまにそこから離れた。目の前に自分の言葉の集積が本として横たわっていて、そこに立つ人々が静かに頁を繰るのを少し視線を逸らして見ていた。本そのものを手にとってもらった時に、適切に言葉を添えることはすごく難しい。それでも本の後ろにいて、その光景が目の前にはあるということが不思議なうれしさという実感
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