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やくも すべては霧につつまれて

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高度に科学が発展した地球。地球防衛軍に所属する暁たちはある日上官から意味深な言伝を受ける。『重要な指令』とはいったい何なのか?ヴァンパイアと人類にはどのような関係があるのか?霧に…
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記事一覧

[SF小説]やくも すべては霧につつまれて15

多くの生物の生存を許さない過酷な環境である南極。その地下にヴァンパイアが住んでいるという…

マキナ
2年前
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[SF小説]やくも すべては霧につつまれて 14

ここまでの話に食い入るように聞いていた一同。夢物語のような、空想のような、現実感のない話…

マキナ
2年前
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[SF小説]やくも すべては霧につつまれて13

「…地球環境に適合できなかった、ということはつまりヴァンパイアは宇宙人、ということですか…

マキナ
2年前
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[SF小説]やくも すべては霧につつまれて12

一同が顔を見合わせる。 聞きなれたようで、全く聞きなれない単語が出てきた。 ヴァンパイア…

マキナ
2年前
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[SF小説]やくも すべては霧につつまれて11

「もうそろそろ予定の時刻か?」 神崎が腕時計を見て会議の始まりを察する。するとまもなく、…

マキナ
2年前
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[SF小説]やくも すべては霧につつまれて10

地球防衛軍松島中央基地。 松島国最大の防衛軍基地である。 広大な敷地面積に対して地上十二…

マキナ
2年前
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[SF小説]やくも すべては霧につつまれて9

「おお、ウィリアム・ムーア大将、ご無沙汰しております」 二階堂は振り返り笑顔を見せる。ウィリアムは二階堂と同じく、地球防衛軍において大将を務めており、配属先の違いはあれど地球から宇宙まで幅広い職務をこなしている。 それゆえに先ほどの会議にも防衛軍の上層部として参加していた。 「…先ほどの決議、どう思いました?私はどうも、もやもやするというか、本当にこれでよいのかどうかと考え込んでしまって…」 ウィリアムの言葉に二階堂も少しだけ笑顔を曇らせる。そしておもむろに口を開く。

[SF小説]やくも すべては霧につつまれて 8

数十人が入れるほど大きな部屋。 そこには半円形の机と椅子が階段状にいくつも並べられており…

マキナ
2年前

[SF小説]やくも すべては霧につつまれて7

日が沈み、あたりが暗闇に覆われるころ。 暁と神崎は社務所の別館にある来客者用の宿泊部屋で…

マキナ
2年前
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[SF小説]やくも すべては霧に包つつまれて 6

「ああ、そういえばこれ、お土産」 食後にまったりと雑談をしている中、暁が鞄から箱を取り出…

マキナ
2年前

[SF小説]やくも すべては霧につつまれて 5

「あ!暁さん!久しぶりです!!」 廊下の突き当りにあるゆったりとした広さのある畳張りの居…

マキナ
2年前
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[SF小説]やくも すべては霧につつまれて4

緑の木々に囲まれた山の中、一台の客車が走っていた。 勾配の激しい山道にも関わらず、高度に…

マキナ
2年前
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[SF小説]やくも すべては霧につつまれて3

降下してきた船の全貌が地上からでも確認できるほどに近づいたとき、突如として離着陸場から轟…

マキナ
2年前

[小説]やくも すべては霧につつまれて2

どこまでも広がり、限りなく澄んだ青空。 この上ない晴天が覆う地上は春の陽気に包まれていた。 そんな一見するとのどかな雰囲気の中、いつもより騒がしい場所があった。 かなたに地平線を見せるほど広大な離着陸場、膨大な質量に耐えうる頑強な舗装の施されたそれは、空に向かって大きく口を広げていた。 周囲には管制塔が聳え立ち、はるか上空からの来客を今か今かと待ち構えている。  『地球防衛軍所属第参拾陸艦隊に告ぐ、十一番着陸場へ着陸せよ。繰り返す、十一番着陸場へ着陸せよ』  管制官が