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兄離れして欲しいという願いは叶いそうにありません…

蓮「すぅ…すぅ…」

○「あのぉ…起きてくださいな」

蓮「すぅ…すぅ…」

○「おーい」

頭を数回叩いても起きる気配はない

僕のことを抱きしめて寝てる蓮加

抱き枕だと思ってる?

蓮「んぅ……」

更に強く抱きしめる蓮加

動きづらくなったんですが…

○「起きてー」

○「起きろー」

蓮「うるさい…」

キレられたんですけど…

キレたいのはこっち側です

○「起きてよ、蓮加さん僕用事あるんだから」

蓮「なんの用事?」

○「学校に書類もらいに行かなきゃ」

更に強く抱きしめられたんですけど

蓮「じゃあまだ大丈夫だ」

大丈夫じゃないです、早く離してください

○「遅刻したら怒られるから離して」

蓮「遅刻して怒られるのと蓮加とこのまま寝てるのどっちがいい?」

一択しかない選択肢やめてください

○「ほらほら起きた」

蓮「アホアニキ」

○「悪口言うと嫌いになるよ」

蓮「お兄ちゃん大好き」

○「よろしい」

朝ごはん食べて学校の準備をする

蓮「学校に行ってなにするの?」

○「書類もらう」

蓮「大事なやつ?」

○「うん」

蓮「蓮加付いていっちゃだめ?」

○「うーん…だめかな」

蓮「なんで?」

○「部外者だから」

蓮「そんな強い言い方しなくてもいいじゃん」

○「ごめん、言い直すわ」

○「邪魔者だから来るな」

蓮「ばか!もう嫌い!」

ーーーーー

蓮「二人で高校行くなんてドキドキするね」

付いてきやがりました

あとどこにドキドキするんだ

高校に着いて一階の事務室前に行く

蓮「玄関違うよ」

○「休日は空いてないからこっちから行くの」

○「すいません、用事があって来ました」

「こんにちは、なんの用事ですか?」

○「書類を受け取りに」

「分かりました、どうぞ」

○「ありがとうございます、スリッパってありますか?」

「そちらの靴棚にあります」

○「ありがとうございます、蓮加さんこれ履いてね」

蓮「はーい」

歩くたびにスリッパの音を鳴らしながら職員室の前まで向かう

○「ここで待っててね、貰ってくるから」

蓮「蓮加も職員室入りたい」

ばかなのかい君は

○「入っても何も意味ないよ」

○「すぐ戻ってくるからそこで待ってて」

蓮「へーい」

なんでいじけるんだ

蓮「暇になっちゃったな〜」

美「こんにちは」

蓮「こんにちは」

美「一年生?」

蓮「違います、妹です」

誰だこの人

美「えっと…誰の?」

蓮「〇〇です」

美「え、もしかして蓮加ちゃん!?」

蓮「はい…」

美「ごめんね、盛り上がっちゃって」

美「私、〇〇の友達の美波」

美「蓮加ちゃんのことよく聞いてるんだ」

よく聞いてるだと!?

蓮「へ、へ〜」

美「〇〇ね、お昼に蓮加ちゃんのことよく話しててね」

美「蓮加ちゃんの可愛かったこととかたくさん話しててね〜会ってみたかったの〜」

悪い気はしないな

蓮「〇〇が話してるんですか?」

美「そうそう」

かわいいやつめ

美「蓮加ちゃんほんとにかわいい〜!今度さ私の家に来てよ」

美「たくさんお菓子あるからさ食べに来てよ!」

蓮「お菓子あるんですか!行きます!」

美「すっごいかわいいんだけど〜」

○「失礼しました」

職員室から出ると美波と蓮加が話していた

○「美波じゃん」

美「あ、〇〇!」

蓮「遅かったね」

○「何話してたの?」

美「蓮加ちゃんに今度お菓子あげるから遊びに来てよって話してた」

蓮「お菓子たくさんあるんだって〜!」

誘拐犯の誘い方じゃん

○「美波も書類関係?」

美「そ、いまからもらう」

○「じゃ僕帰るから」

美「了解、じゃあ来週」

美「蓮加ちゃんまたね」

蓮「ばいばい、美波さん」

なんか仲良くなってるんですけど

学校から出ると蓮加がニヤニヤしてこちらを覗く

蓮「んふふ」

○「なに?」

蓮「いやぁ…なにもぉ?」

怪しい

○「なんでもいいけどね」

蓮「ね、手繋いで」

○「なんでよ」

蓮「いいから!」

○「はいはい」

蓮「へへーん、らぶらぶぅ」

○「うるさいわ笑」

蓮「〇〇って蓮加のこと好きだよね」

○「いや、早く兄離れして欲しいと思ってるけどね」

蓮「嘘つけ〜笑」

○「中学生はお兄ちゃんを嫌がるもんだよ?」

蓮「蓮加はお兄ちゃん嫌がらないもーん」

○「ふーん」

蓮「嬉しい?」

○「全く」

蓮「嬉しいくせに〜」

なんか全体的にやかましいな

○「なんか美波に言われた?」

蓮「特になにも…笑」

○「じゃあいいけど」

蓮「蓮加はね、お兄ちゃんのこと大好きだよ」

早く兄離れして欲しいと思ってるけど、離れたら離れたで寂しくなるもんなのかな?

fin

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