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また君に会えたらもう一度伝えていいですか?

放課後

誰かが待ってる訳ではないのにいち早く学校を出る

だってあなたがいなくなる気がしたから

学校から少し離れた神社

やっぱりあなたはそこにいた

さ「息切れてるよ笑」

少し微笑みながら言われた

さ「そんなに会いたかった?」

見透かれているのが少し恥ずかしい

○「ここが落ち着くから」

酸素を吸って、嘘を吐きながら

あなたの隣に座って本を開く

さ「あ、それ買ったの?」

○「たまたま売ってたから」

さ「古い本なのに?笑」

○「ほんとにたまたま売ってた」

さ「あそー笑」

いつのまにか日課になっていたこの時間が

長く永遠に続いて欲しいと

なんとなく思った

さ「君も飽きないね、毎日ここにきて」

○「まぁね、ここしか読む場所ないから」

さ「学校は?」

○「図書室はスマホいじる場所になってるから」

さ「うるさいんだ」

○「そ」

さ「君らしいや笑」

○「そりゃどうも」

○「あとどれくらいなの?」

さ「ん〜あとね〜10ページくらい笑」

誤魔化し方があなたらしい

○「少ないね」

さ「君には少ないって感じるんだ」

さ「まだどんでん返しがあるかもよ」

○「そんなうまくいくの?」

さ「さぁ」

さ「どうでもいいや」

○「適当だね」

さ「まぁね〜笑」

○「いいとこだと思うよ」

さ「そっちも適当じゃん笑」

○「ふっ…笑」

太陽が西側にだんだんと沈んで

丸い月が昇る

さ「知ってる?今日は満月なんだって」

○「あそ」

二人で一緒の月を見上げながら

○「月が綺麗ですね」

さ「ふっ…笑」

さ「私はまだ生きたいわ」

なんて綺麗で儚い言葉なんだろう

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