小夜なら、不可思議

小夜なら、不可思議の質疑応答・補足についてまとめています。

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最近の記事

第一話 『二人は異端』

「皆さん初めまして!僕はアッシュ・フレイムド。プロデューサーをしているよ」 「そしてアタシが花浪!うわぁ、こんなに沢山の人が集まってくれるなんて、アタシ感激だよ」 帝都のとある講堂にて。 サンドリヨン計画説明会という看板が立てかけられた講堂は人で溢れかえっていた。 アッシュはサンドリヨン計画について一般向け、応募者向け、事業向け、と順をおって説明し、各々の質問に的確に答えていく。 サンドリヨン計画という大きなプロジェクトが帝都の人々の心を躍らせているのは明らかだった。

    • 話題の二人に特別取材!異色の二人組に迫る!

      ──今をときめくアイドルの花浪さんとその活動を支えるプロデューサーのアッシュさん、お二人からどんなお話が聞けるのか、読者の皆さんも非常に楽しみにしていると思います。 ア:あはは、だとしたら光栄だなぁ。ファンの皆さんあってのアイドルだからね 花:なんでも聞いてね!アタシ達、皆ともっともっと仲良くなりたいんだよ ──気合いは十分、頼もしいですね。では早速ですが、お二人について簡単な自己紹介をしていただいても? ア:僕はアッシュ・フレイムド。マネージャーとして花浪を支えて

      • 「そして全ては灰となれ」 前日譚

        「これは双方にとって利益のある提案だと思うんだ。勿論、僕等に限った話じゃあ無い。帝都の皆にとってもね」 鈍色の髪の男はティースプーンを三度回し、それから気の知れた友人になんてことの無い世間話でもするような気軽さで、テーブル上の書類を指先で叩いた。 その隣に座った花色の髪の少女は、男の態度とは対照的で夜行生現社長と男を交互に見つめては何か言おうとして言葉を呑み込んでいる。 夜行生現社長──文御はというと、彼等の視線を破るつもりで強く目を閉じ深く深呼吸した。 そして、すぐに視線

        • イベント小ネタです。(メタ的な内容を含みます)

          今イベントをもって、『小夜なら、不可思議』のイベント運営は最後となります。 一応区切りのついた公式イベントですが、これらはあくまで一つの世界線であり、キャラの発言や考えは考察の範疇で真実とは限りません。 皆様が不可思議の裏側を見つけていただぇればなと考えております。 途中、長い期間空いてしまったり連絡が停滞したりと皆様に迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。 そして最後までよふかしにお付き合いくださりありがとうございました。 初めての主催で参加者様を混乱させてしまうことも

        第一話 『二人は異端』

        マガジン

        • そして全ては灰となれ
          3本
        • 世界観について
          13本
        • 烏について
          31本
        • エイプリルフール【さよなら、ふかしぎっ!】
          1本
        • 君の瞳に僕を映して、痲酔の夢から連れ出して
          17本
        • 夜喰について
          28本

        記事

          第三話

          遠くの空で白い彗星が一筋流れた。 否、それは烏だった。 三千烏よりも二回りほど大きい白い烏が帝都上空、三千烏をめがけて飛んでくる。 そして空を覆うように白い翼を広げて、三千烏に激突した。 三千烏が抱えていたヒビだらけだった宝石に一際大きな亀裂が走った。 ピキピキと雛が卵の殻を破るような音をさせながら、宝石は小さな欠片となって剥がれてゆく。 黒い烏は何かを言いたげに嘴を大きく開いたが、何一つ音は出てこなかった。 それは悲鳴だったかもしれない、自身の願いが潰えたことに対する。

          第二話

          ──自分自身とは何なのだろう? 自分との対話の中、三現はひたすら考えた。 答えは出ない。大きな空白が、言葉にできない不可思議が、三現の目の前に横たわっている。 無意識の帝都で様々な体験をした。自分を構成する物が失われていく中で、自分に残った物が零れ落ちないように必死に抱きしめていた。 しかし、いざソレが何かと問われれば三現はたちまち言葉を失ってしまう。 他の者なら、例えば自身が憧れてやまない人物だったらこの疑問に答えることができたのだろうか? 時間と記憶に固執する学者の男なら

          第一話 共通②

          目が覚めると貴方は一人で帝都に立っていた。 帝都の空は快晴で、ずっと遠くまで雲一つ無い青空が続いていたが、その空は絵の具で塗り固められたように平坦でどこか不気味だった。 そこで貴方は一つの疑問を抱いた。自分は何者だっただろうか?と。 考えても考えても答えは出ず、記憶を辿ろうにも靄がかかったように正常な思考ができない。 貴方は目的も無く歩き出す、ただ何もしないのが恐ろしかった。その恐怖を紛らわせるように、自身の歩みによってなんとか形を保てるように、貴方は歩き続けた。 そんな時ふ

          第一話 三律神社

          「ようこそ三律神社へ!っても前来たときと代わり映えしねェし、もてなしも満足にできないけどよ」 「さてと、ソレじゃあ三律神社の剣をお披露目といこうかな。最近、ちと出番が多くてありがたみに欠けるが、本来は人生で一回見れりゃぁ孫に自慢できるモンなんだぜ」 フンフンと鼻を鳴らしながら、梅前は神社の奥深く、おそらく保管室と思われる扉を勢いよく開いた。 そこには祭壇と、それから一本の剣が祀られていた。 刀身は鞘に収められていたが、三律儀式の時と同様不思議な威圧感があった。 しかし、そ

          第一話 蛸船事件跡地

          「事件以来、久々に此処に来るのがお前等と一緒だなんて……はぁ、義兄さんに合わせる顔がない……」 「心配しなくても蛸船はそんなことで怒る人ではありませんよ」 「はぁ?義兄さんのことを知らんお前が偉そうに語るなよ。義兄さんのことは僕と……僕と父さんが一番知ってる!」 「さいですか、まぁ私、彼とちゃんと話したことありませんから」 「お前……なら言うなよ」 三現はこれだから夜行生は……と小さく文句を言いながら、くるりと寺に背を向けて歩き始める。 「ちょっと!軽く煽られたか

          第一話 蛸船事件跡地

          第一話 水鏡湖跡地

          「君達は体を無駄なものだと思うかい?人は体がある故に形作られる。それは恩恵とともに強い絶望を与える」 「黒紙の送り主の言う通りになったら、俺達は皆体がもたらす呪いから解放され、死や生物的な欲求、それらから発生する諍いや恐怖を忘れることができるだろう」 「俺もかつて、肉体の無意味さを嘆いたよ。肉体こそがこの世の善悪の根底だとね」 「だけど自身が肉体を失って、そしてこうやって肉体を取り戻して、俺は分かった」 「肉体は自己だと。肉体を知っているからこそ、俺は俺になれたんだ。皆が

          第一話 水鏡湖跡地

          Q:公式イベントは何月頃の設定なのか?

          A:明確には決まっておりません 『公式イベントについて』でも記載しているように、メインイベントはあくまであったかもしれない世界線の提示を想定して構成しているため、細かい設定は皆様に委ねる形をとっています。 強いて言うなら遡上京事件は夏から秋、蛸船事件は正月からバレンタイン、瞳イベントは春と夏の間のイメージがありますが、あくまで主催のイメージです。

          Q:公式イベントは何月頃の設定なのか?

          Q:討伐後、烏の遺体はどのような処置がなされるのか?

          A:身元が判明し、遺族が遺体を引き取ると申し出た場合宝石部分を全て削り取り、遺族にお返しします。 基本的に遺族が帝都在住であれば帝都の現状を知っているため、不必要な嘘をつく必要は無く遺体もお返しすることができるのですが、もし遺族が帝都外在住だった場合不審死として処理されます。また、帝都外在住者に宝石を削り取った遺体を引き渡すことはできないため身に付けていた物をお返しすることになっています。 「烏の死を悲しむことを否定してはいけない、烏である前に誰かにとって大切な誰かであるの

          Q:討伐後、烏の遺体はどのような処置がなされるのか?

          前日譚2

          夜行生、第一広場にて。 「集まってくれてありがとう、俺は遡上。儀式についてだが、ウン。その前にまずは現状について確認しよう。あくまで俺の考察が大部分をしめていることを理解して聞いてくれ」 「1、帝都の夜が長くなった大本の原因は白鷺彗星によって三律が崩れたから。 2、黒紙の送り主は白鷺彗星の到来と供に訪れた来訪者であり、来訪者は宇宙的な──つまりは“全”的な存在である。 3、烏は来訪者によって作られた、言わば三律の調和を完全に崩すための装置である。 4、夜喰が力を増した理由

          過ぎ去りし日を夢に見て

          「この世で最も恐れるべきは巨悪がなんかじゃあない。わかるか、三現。小さな悪意が世界を犯すんだ、悪人だけが世界を壊すんじゃない」 「この世に善人なんていないし、完全な悪人なんてのもいない。皆が小さな悪意を持って生きている、そしてその悪意が積み重なった時、もうそれはソイツの手を離れちまってどうすることもできなくなるんだ」 「だけど忘れるな。些細な悪意が世界を壊す様に些細な優しさが世界を救ったりもする。小さな抵抗が、大きな摂理を打ち破ったりするのさ。俺はお前に、優しさを注ぐことを抗

          過ぎ去りし日を夢に見て

          前日譚1

          夜行生の会議室にて。 しっかり縄によって縛られた青年と夜行生現社長である文御はかれこれ数時間睨み合っていた。蛸船屋に行ったことがある人ならば、その青年に見覚えがあるかもしれない。 彼はかつて蛸船屋全ての客と最初に顔を合わせる門番であったからだ。 「私としては、貴方に無理矢理口を開かせても良いんです。それをしないのは私が貴方の意志を尊重しているからであり、今後も協力形態を取っていきたいから……わかりますね?」 「…………」 かれこれこのような会話を何度も繰り返しているが

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          さよなら、ふかしぎっ!

          さよなら、ふかしぎっ!

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