3/07 オピオイドローテーション

今日は昨日に引き続き麻薬について教わった。
以前の末期の癌で当初オピオイド鎮痛薬であるオキシコドン徐放錠が50 mg/day処方されていた患者がいた。この患者は病態が悪化するにつれ錠剤を飲むことが困難になり、テープ剤 (フェントステープ)への変更が検討された。オピオイドを変更する際は、力価表から同じ効果を得るための投与量を判断することが出来る。今回の場合オキシコドン徐放錠 50 mg/dayであったため、フェントステープ 2.5 mg/dayが同じ程度の効果を示す。また、レスキューも同じ医薬品にしなければならないため、オキシコドン錠 5 mgNXからアブストラル舌下錠 100μgに変更した。今回のように嚥下困難になってしまった場合や、副作用によりオピオイドの継続が困難になった場合は種類を変更する必要がある、これをオピオイドローテーションと言う。
現在使用されている代表的なオピオイドはモルヒネ、フェンタニル、オキシコドンである。モルヒネは腎不全時にその活性代謝物であるM6Gが蓄積しやすく、傾眠などの副作用が起こりやすいことが知られている。そのため、腎不全患者ではオピオイドローテーションが必要になることがある。他にも吐き気・嘔吐、便秘などの副作用が起こりやすい。フェンタニルの副作用は吐き気・嘔吐についてはモルヒネと同様にあるが、便秘、傾眠は比較的少ないとされている。
また、オキシコドンの代謝物は活性を持たず、未変化体の尿中排泄率も低いため腎機能低下による蓄積が起こらないため、腎不全患者にも使用しやすいことが特徴である。