8/04骨粗鬆症、女性ホルモン

今日は骨粗鬆症の薬について学んだ。よく使われるのは活性化ビタミンD3製剤やビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)であるが、今回は閉経後骨粗鬆症の治療について学んだ。以前はプレマリンなどのエストロゲン製剤がよく投与されていたが、エストロゲンは肝臓において血液凝固因子の合成促進作用をもつために副作用として血栓症や塞栓症といった報告があり、あまり使われなくなっていた。その副作用が軽減されてエストロゲン製剤に代わって使われるようになったのが、SERMである。選択性があるため、骨や脂質代謝に対してはエストロゲン様作用を示し、乳房や子宮内膜にはエストロゲン受容体遮断作用を示すため、乳がんリスクも軽減される。SERMにはエビスタ(ラノキシフェン)やビビアント(バゼドキシフェン)などがあり、骨細胞と骨芽細胞に対してはアポトーシスの抑制、破骨細胞に対してはアポトーシスを促進させ、骨吸収の抑制作用をもたらす。また、閉経後すぐの若年女性に対して処方されることが多く、治験の対象者としても条件の1つとして85歳以下となっている試験が多く挙がっている。高齢者ではボノテオやリカルボンのような骨折予防効果の高い第三世代ビスホスホネート剤が第一選択となる。