7/21エンレスト、高血圧用量

今日はエンレストを処方されている患者が来局した。エンレストは2020年8月26日に発売されたアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬で、初めは慢性心不全のみに適応があった。しかし2021年9月に高血圧症の適応が新たに加わった。今回の患者ではエンレスト200mg1錠が処方されており、慢性心不全では初回1回50mgから始めるため、高血圧の治療における処方と考えられる。慢性心不全の適応においては"ARBまたはACE阻害薬から切り替えて投与すること"と注意書きがあるが、高血圧の適応では"第一選択としないこと"という注意書きのみで以前の薬剤の種類は問わない。今回はCa拮抗薬のアムロジピンからの変更だったが、高血圧症であったために問題はなかった。
他に慢性心不全と高血圧症のどちらにも適応を持つものとして、β阻害薬がある。よく使われるものとしてはカルベジロールやビソプロロールがあり、それぞれの適応によって用量が異なる。まず、カルベジロールには1.25・2.5・10・20mgという規格があるが、高血圧症は10・20mgのみが適応となり少量では慢性心不全となる。ビソプロロールでは0.625・2.5・5mgの規格があるが、2.5・5mgのみが高血圧症の適応となる。体感的には高血圧の方が用量が多い印象があった。用量によって適応も変わってくるため、処方の用量と患者の病態が合致しているか考える必要があると学んだ。